タイトル | アイリスイエロースポットウイルスのネギ及びタマネギにおける感染状況 |
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担当機関 | 神奈川農総研 |
研究期間 | 2004~2004 |
研究担当者 |
植草秀敏 深澤智恵妙 小川潤子 草野一敬 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 神奈川県各地域のネギ及びタマネギ圃場においてアイリスイエロースポットウイルス(IYSV)の感染が認められる。汚染圃場のネギアザミウマは一割以上が媒介能力を有し、近隣で被害が懸念される作物圃場では本媒介虫の侵入に注意が必要である。 |
キーワード | IYSV、ネギ、タマネギ、ネギアザミウマ、媒介率 |
背景・ねらい | 最近、各地でトルコギキョウ及びアルストロメリア等に発生の認められるIYSVについて、感染源植物の状況調査及び媒介昆虫であるネギアザミウマの保毒・媒介率等の発生生態について検討を行い、今後の防除対策に資する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 神奈川県内のほとんどの地域においてネギ及びタマネギにIYSVの感染がRT-PCR法による検定で認められる(図1)。 2. タマネギにおけるIYSVは座間市新田宿のT3系統以外はすべてT2系統と判別される(図1、図2)。ネギにおけるIYSVはすべてT2系統と判別される。 3. 2004年5月の当研究所圃場におけるネギ及びタマネギのIYSV感染率は約50%であり、9月では若干感染率は高くなるが大きな変化はない。 4. ネギ苗の葉片へのアザミウマ接種とRT-PCR法を組み合わせてネギアザミウマのIYSV媒介率を検定すると、当所のネギ圃場から採取した成虫のネギアザミウマ(前縁角刺毛、腹部側板域による簡易同定)の媒介率は12.5%と14.8%を示す(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ネギ苗葉片へのアザミウマ接種とRT-PCR法を組み合わせてネギアザミウマのIYSV媒介率を検定できる。 2. ネギ及びタマネギはRT-PCRにより感染の認められる株でも、ほとんどが無病徴で潜在感染している。タマネギは条斑壊死症状を呈するものがあり、採種のため栽培後半の抽だいする頃に激しい病徴を示す品種(当所育種中)がある。 3. ネギ及びタマネギの多くはIYSVに感染しており、汚染圃場のネギアザミウマの一割以上がウイルス媒介能力を持つ。神奈川県ではネギ及びタマネギは周年栽培が行われ、ネギアザミウマは一年中発生していることから、トルコギキョウ及びアルストロメリア等のIYSVによる被害が懸念される圃場においては、感染源としてネギアザミウマの侵入に十分注意が必要である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 アイリス アルストロメリア 育種 たまねぎ トルコギキョウ ねぎ 品種 防除 |