タイトル | 耕深確保、すき込み、砕土性に優れたレーキ付き正転ロータリ |
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担当機関 | 福井農試 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
北倉芳忠 中嶋英裕 山本浩二 小橋工業株式会社 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 本機は、ひねり・曲げの大きいロータリ爪を配列し、レーキ等を備えた正転ロータリである。耕うん作業速度0.5m/s程度で耕深15cm程度を確保し、わら・雑草等を深くすき込み、爪軸へのわら巻付き少なく、砕土性も良い。このため、わら等前作の残渣を残したまま、水田の耕うん作業および転作田の1回耕うん同時(一発)播種作業で、優れた性能を発揮する。 |
キーワード | ロータリ、耕うん、砕土、播種、水田、水田転作 |
背景・ねらい | 近年、水田や転作田におけるロータリ耕うん作業において、耕深が10~11cmと浅いためわら等のすき込み性が悪く、根の生育も制限され、また、わら等も焼却される傾向があり、作物生産や環境保全上の障害となっている。 そこで、慣行作業並の速度で、15cm程度の耕深を確保でき、わら・雑草等のすき込み性に優れた汎用的なロータリを開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 本機(以下「改良ロータリ」という)は、耕うん性能(深耕、砕土、すき込み性)を向上するため、爪は、通常のナタ爪以上のひねりと曲げを加え、配列はフランジ型とホルダ型を組み合わせた方法とし、砕土とすき込み性向上のためロータリ内にレーキを設置し、さらに、耕深確保のためにチェンケース前方に圃場面カット用ディスクを備えた改良型の正転ロータリである(写真1)。 2. 改良ロータリは慣行ロータリに比べ、ロータリ爪軸へのわら巻付きが少ない(写真2)。 3. 転作田における大麦収穫後大豆の1回耕うん同時(一発)播種作業では、改良ロータリは、慣行ロータリに比べ、速度は同程度で、耕深が深く、砕土率が高く、種子露出率がかなり低く、麦稈露出率がかなり低く、その結果、苗立ち率が高くなり、良好な性能を発揮する(表1)。 4. 水田(水稲収穫後)における耕うん作業(大麦播種作業も兼ねた)では、改良ロータリは、慣行ロータリに比べ、速度は同程度で、耕深が深く、砕土率が高く、稲わら露出率が低くなり、その結果、大麦の苗立ち率も高くなり、良好な性能を発揮する(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 砕土性やわら埋没性については、レーキの位置を変えることで、水田、転作田、一般畑の作業の目的に合わせた調整ができる。 2. 転作田での雑草すき込み作業は、草丈70~80cmまで対応可能である。 3. 本機は、福井県農業試験場と小橋工業株式会社により共同開発されたもので、平成18年度中に市販される予定である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 病害虫 大麦 雑草 水田 大豆 播種 |