タイトル | 春機発動前のホルスタイン種雌牛に対する経腟採卵と体外受精胚の作出 |
---|---|
担当機関 | 群馬畜試 |
研究期間 | 2004~2008 |
研究担当者 |
高橋正博 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 春機発動前のおよそ8ヶ月齢のホルスタイン種雌牛に対し経腟採卵を実施し、得られた卵子を成熟培養、体外受精、発生培養することで移植可能胚が作出できる。 |
キーワード | 経腟採卵、体外受精、春機発動、乳用牛 |
背景・ねらい | 経腟採卵技術は生体から卵子を採取し体外受精に供用して胚を大量に生産できる技術として注目されている。そこで、さらに1個体から生産しうる胚数を増加させるとともに、より若い牛からの体外受精胚の作出、利用により牛群改良速度を向上させる目的で、春機発動前のおよそ8ヶ月齢のホルスタイン種雌牛について経腟採卵、体外受精胚作出の可能性を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 供試牛は、発情徴候が認められず、直腸検査による卵巣所見から春機発動前と判断した、およそ8ヶ月齢の当場飼養ホルスタイン種雌牛3頭(表1)を用い、4日~5日間隔で4回連続で経腟採卵を行う。 2. 経腟採卵には超音波画像装置(HS-2000:本田電子株式会社)、プローブ(コンベックス型7.5MHZ:本田電子株式会社)、採卵針(COVA Needle 17G:ミサワ医科工業)、吸引ポンプ(FV5:FHK)を用い、100mmHgの吸引圧により画面上で卵胞と確認されたものを全て吸引する。 3. 8ヶ月齢の雌牛に対し経腟採卵を実施することで、卵子卵丘細胞複合体の採取が可能である(表2、図1)。 4. 経腟採卵で採取した卵子を、22時間の成熟培養を行った後、体外受精を行い、7日~8日間発生培養することで移植可能胚の作出が可能である(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 血統的に優秀なホルスタイン種育成雌牛に活用すると、産子を早く得られ牛群改良速度を早くできる。 2. 個体による差が大きく、全ての育成牛から胚の作出が可能とは限らない。 3. 牛の発育状態等により直腸への腕の挿入、膣へのプローブの挿入が容易ではない場合もあるので慎重に行う。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ |