タイトル | 付着乳酸菌事前発酵液を用いたイタリアンライグラスおよびエンバクのサイレージ発酵品質 |
---|---|
担当機関 | 三重科技セ |
研究期間 | 2004~2005 |
研究担当者 |
平岡啓司 松岡清隆 小出勇 田中善之 乾 清人 浦川修司 |
発行年度 | 2005 |
要約 | イタリアンライグラス及びエンバクのサイレージ調製に付着乳酸菌事前発酵液を添加することで、良質なサイレージが調製できる。 |
キーワード | イタリアンライグラス、エンバク、サイレージ、付着乳酸菌事前発酵液 |
背景・ねらい | 粗飼料自給率の向上を図るためには、低コストで安定的かつ高品質なサイレージを生産することが極めて重要である。 そこで、その地域に適応した野生の乳酸菌を事前に培養して調製した付着乳酸菌事前発酵液を利用して、イタリアンライグラス及びエンバクにおけるサイレージ発酵品質の改善を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 付着乳酸菌事前発酵液は、サイレージ調製の対象となる草種4kgを約3cmに細切し、市販の洗濯用ネットに詰め込んだ後、200リットル当たり10kgの砂糖を溶解した水溶液に2日間浸漬することで調製できる。この調製作業は、機械にポリタンクを搭載した状態で容易に実施できる(図1)。 2. ロールベーラのプレスバー部に自動添加スイッチを取り付けることで、ピックドラムにより草が拾い上げられた時のみ液材が噴出する。従って、従来の手動でのスイッチ操作に比べて省力的であること、また、オペレータの誤操作による液材ロスを軽減することができ効率的な添加が可能である(図2)。 3. 付着乳酸菌事前発酵液を添加したイタリアンライグラスサイレージは、酪酸生成の抑制とVBN/TNの割合が低下し、無添加区に比べて良質なサイレージが調製できる(表1)。 4. 付着乳酸菌事前発酵液の添加効果はエンバクサイレージにおいても認められ、良質なサイレージの調製技術として利用できる(表2)。 5. 付着乳酸菌事前発酵液の添加は高水分時にサイレージ調製した場合でも効果を発揮する。従って、収穫時期の天候に恵まれない場合でも、付着乳酸菌事前発酵液を利用することでサイレージ発酵品質の劣質化を軽減できる(表1、表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 付着乳酸菌事前発酵液は、身近な道具で簡易に調製できることから、高品質かつ低コストなサイレージ調製が可能である。 2. 寒冷時期に付着乳酸菌事前発酵液を調製する場合は、加温装置(熱帯魚用サーモスタット等)を用いて液温を約30℃に保つ必要がある。 3. 付着乳酸菌事前発酵液は収穫時期に合わせて調製する必要があるため、大規模な作付面積で利用する場合は労力を要する場合がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | イタリアンライグラス 低コスト |