ニホンナシ「幸水」の盛土式根圏制御栽培法

タイトル ニホンナシ「幸水」の盛土式根圏制御栽培法
担当機関 栃木農試
研究期間 2001~2005
研究担当者 大谷義夫
鷲尾一広
発行年度 2005
キーワード ニホンナシ、ドリップかん水、根域制限、高品質多収
背景・ねらい 本県ニホンナシの主要品種「幸水」は、導入から40年以上が経過し、老木化、萎縮症及び土壌病害等による収量、果実品質の低下が深刻な問題となっている。そこで、高品質で慣行栽培の2倍を越える多収が可能となる、ドリップかん水による根域制限栽培法を開発する。

成果の内容・特徴 1.
本方式の栽植距離は、自走式防除機による薬剤散布が可能な、株間2m×列間2.5mの200本/10a植えとする。仕立て方は2本主枝の一文字Y字仕立てとし、地上1mの高さで主枝を2本分岐させ、約130cmの側枝を約50度斜め上方に誘引する(図1)。
2.
培土は赤玉土:バーク堆肥=2:1の混合土を使用し、ビニル、遮根シートを敷き、その上に盛土(縦横70cm、高さ30cm)し、量は1樹当たり150Lとする。
3.
水分管理はコンピューターにより制御し、樹の吸水量を基に1日20回、40分おきにドリップかん水を行う(表1)。
4.
年間窒素施用量は成分で1樹当たり100gで、緩効性100日タイプの肥料(窒素-りん酸-加里、14-12-14の混合肥料)をかん水を開始する催芽直前に施用する。その他、苦土炭酸カルシウム肥料、ようりん、微量要素を催芽直前に施用する。
5.
着果数が収量、品質に及ぼす影響について、100果と80果をくらべると収量は差が無く、糖度は80果が高い。また、80果と60果では収量は80果、糖度は60果が優れる。このため、着果数を80果にすることにより、高品質で慣行の2倍以上の果実を収穫することができる。
6.
以上の盛土式根圏制御栽培法は、樹の吸水量にあわせたかん水管理をし、着果数を80果にすることにより、高品質で慣行栽培の2倍を越える多収が可能となる。

成果の活用面・留意点 1.
かん水量が不足すると、生育不良、落葉等の障害が発生するので、不足しないように注意する。
2.
露地、加温ハウス等の作型でも、栽培可能である。
3.
本栽培法は、2003年12月に「果樹類の盛土式根圏制御栽培方法」として特許を出願しているため、栃木県と契約を締結している事業所を通じての導入が前提となる。
図表1 218012-1.gif
図表2 218012-2.gif
図表3 218012-3.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 根圏制御 品種 防除 水管理 薬剤

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