干し柿「市田柿」の加工は適熟果を使用する

タイトル 干し柿「市田柿」の加工は適熟果を使用する
担当機関 長野南信農試
研究期間 2005~2005
研究担当者 船橋徹郎
今川昌平
山近龍浩
発行年度 2005
要約 未熟な原料果実から加工した干し柿「市田柿」は、貯蔵中に粉の戻りが発生しやすく、商品価値が低下するので、干し柿「市田柿」の加工には適熟果を使用する。
キーワード 干し柿、市田柿、未熟果、適熟果、戻り
背景・ねらい 干し柿「市田柿」の果肉から滲出したブドウ糖は結晶化し白い粉となり干し柿の表面全体を覆う。この白い粉が溶解し消失すると干し柿の表面が溶けた糖分でべとつく。この状態は「戻り」と呼ばれ、商品価値が低下する。「戻り」は、干し柿の水分含有率が高い場合や、流通において適切に温度管理(20℃以下)されない場合に観察されるが、他の発生要因の解析は不十分である。未熟と適熟の原料柿を用い、干し柿に加工した場合の「戻り」の発生について検討する。

成果の内容・特徴 1.
収穫果は、農林省果樹試験場作成カキ用カラーチャートを用い選別し、果てい部(へたの横)のカラーチャート値が3.0の果実を未熟果、4.0の果実を適熟果とする(図1)。
2.
剥皮直後の重量に対する乾燥終了時の重量の割合は、未熟果が30.1%、適熟果が31.2%で差がみられない(図2)。
3.
干し柿を室温貯蔵(期間中平均気温3℃ 最低-2.9℃ 最高24.8℃)で貯蔵した場合、未熟果・適熟果いずれの原料果実から製造したものにも、「戻り」の発生はみられない(表1、図3)。
4.
干し柿を23℃で貯蔵した場合、未熟果から製造した干し柿では「戻り」が発生するが、適熟果から製造したものに「戻り」はみられない(表1、図3)。

成果の活用面・留意点 1.
収穫果は、農林省果樹試験場作成カキ用カラーチャートを用いて選別する。果てい部(へたの横)のカラーチャート値が3.0の果実は未熟であり加工に適さないので、4.0の適熟果実を収穫する(図1)。
2.
適熟果を原料とする場合も、十分に乾燥し、剥皮直後の重量に対する乾燥終了時の重量割合は、30%を基準とする。
図表1 218017-1.jpg
図表2 218017-2.gif
図表3 218017-3.jpg
図表4 218017-4.gif
カテゴリ 温度管理 かき 加工 カラー 乾燥

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