タイトル | 大果で食味に優れた中生のニホンナシ新品種「彩玉(さいぎょく)」 |
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担当機関 | 埼玉農総研 |
研究期間 | 1984~2005 |
研究担当者 |
奥野隆 吉川健治小川政昭 郡克 向井武勇 酒井雄作 水戸部満 浅野聖子 前島秀明 島田智人 六本木和夫 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 「彩玉」は「新高」に「豊水」を交配して育成した中生の赤ナシで、「幸水」と「豊水」の間に収穫される。高接ぎ樹の平均果重は550g程度で、この時期のニホンナシとしては大果である。果肉は軟らかく、糖度が高く、酸味は少ない。 |
キーワード | ニホンナシ、新品種、彩玉、中生、大果 |
背景・ねらい | 埼玉県のニホンナシ生産現場においては、地の利を生かした直売の比率が年々増加しており、特徴ある品種へのニーズが高まっている。そこで、従来の品種とは熟期が異なる県独自の品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「彩玉」は1984年に「新高」に「豊水」を交配して得られた実生の中から選抜された。大果性で食味が優れることから、2002年2月に品種登録を出願し2005年2月7日付で登録番号12729号として品種登録された。 2. 樹勢はやや強く、枝梢は長く太い。花芽の着生は短果枝(頂芽)、長果枝(腋花芽)ともにやや多い。開花期は「豊水」より一日程度早く、花粉を有する。収穫期は、育成地では8月中下旬~9月初旬で、「幸水」と「豊水」の間に収穫される(表1)。 3. 果形は扁円形で果皮は赤褐色である(図1、2)。平均果重は原木では500g程度、高接ぎ樹では550g程度で、この時期のニホンナシとしては大果である(表2)。 4. 果肉は軟らかく、「豊水」程度の果肉硬度を示し、果汁糖度(Brix)は平均13.5%で、「幸水」より高い値を示す。果汁のpHは5.1程度であり、食味上は酸味をほとんど感じない(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 当面は埼玉県内限定で栽培を許諾する方針である。 2. 「豊水」とは交配親和性が無いので受粉に際しては注意する。 3. 大果性であるため、上向きの果実は軸折れしやすいので、摘果の際には横~下向きの果実を残すようにする。 4. 裂果、収穫前落果、硬化障害は認められない。みつ症は育成地では見られないが、みつ症の多発年において、一部地域で発生例があるので注意が必要である。また、えそ斑点病は非発現性である。 5. 成熟期の果実は色上がりがやや暗く、収穫適期の判定がやや難しい。熟度が進んだ果実には軟化する果実が混ざる場合があるので、青みの残る色での収穫が望ましく、果皮色と食味との関係を確認して収穫する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 受粉 新品種 高接ぎ 品種 良食味 |