ブドウ「藤稔」におけるストレプトマイシンを利用した無核栽培技術

タイトル ブドウ「藤稔」におけるストレプトマイシンを利用した無核栽培技術
担当機関 神奈川農技セ
研究期間 2002~2004
研究担当者
発行年度 2005
要約 ブドウ「藤稔」にストレプトマイシン1000倍(200ppm)液を満開10日前までに散布し、満開11日後にジベレリン25ppmおよびホルクロルフェニュロン10ppmの混合溶液を果房浸漬処理することにより、種なしで1果粒重約20gの房が得られる。
キーワード ブドウ、藤稔、ストレプトマイシン、無核栽培
背景・ねらい 近年、栽培面積の増加している「藤稔」は、「巨峰」「ピオーネ」に比べて種子が入りやすいため、無核栽培を行う場合は、ストレプトマイシン(SM)の利用が有効であるが、無核果率95%以上を確保しつつ、十分な果粒肥大および果実品質を得る方法について検討する。

成果の内容・特徴 1.
ストレプトマイシン(SM)は、満開10日前までに「藤稔」に散布することにより、樹齢5~10年生の長梢・短梢どちらの仕立て方においても90%以上(しいな率含む)の無核果率を確保できる(図1)。
2.
SMを満開10日前までに散布し、満開11日後にジベレリン(GA)25ppmおよびホルクロルフェニュロン(CPPU)10ppmの混合溶液を果房浸漬処理することにより、1果粒重は19gとなり、無核果率100%の果房が得られる。なお、GA2回処理の場合、1果粒重は22gを超えるが、無核果率が82%と低い(表1)。
3.
果実品質は、18.3Brix%、酒石酸0.50g/100mlであり、有核果房に比べて糖度が高く酸度が低い(表1)。
4.
果粒肥大特性は、無処理区とほぼ同様の2重S字曲線を示す(データ略)が、果実肥大第II期(肥大停滞期)が短い(表2)ことから、スムーズな肥大をしていると考えられる。この方法においては、裂果の軽減が観察されており、そのこととの関連が推測される。

成果の活用面・留意点 1.
いずれの仕立てにおいても、樹勢を強めに保つような管理を心がける。
2.
ストレプトマイシン1000倍(200ppm)液の散布は、房に十分にかかるように留意する。
3.
満開後、予備摘粒で30粒程度にまで落とし、2回目の植調剤処理後の摘粒は見直し程度とする。
4.
本成績におけるホルクロルフェニュロンの使用法は、平成18年1月の時点で未登録である。
図表1 218021-1.gif
図表2 218021-2.gif
図表3 218021-3.gif
カテゴリ 栽培技術 ぶどう

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