超薄層マット植物の生産技術の開発

タイトル 超薄層マット植物の生産技術の開発
担当機関 千葉農総研
研究期間 2003~2005
研究担当者 柴田忠裕
発行年度 2005
要約 より軽量な超薄層マット植物を生産する場合、育成トレイの底にヤシ繊維シートを敷設すると強度が増す。匍匐性の植物は、培地のみ充填した育成トレイを親株周辺に市松状または等間隔に設置し、伸長・発根後に分離する方法により効率的に生産できる。
キーワード マット植物、超薄層、ヤシ繊維シート、生産技術
背景・ねらい 屋上や傾斜屋根を緑化する場合、積載荷重の制限上、緑化資材や植物の軽量化が不可欠である。特に、工場等に多用される金属折板屋根は、梁や柱の間隔が広いため、そこを緑化するためには既存緑化工法では対応が困難であったが、1m2当たりの重量が20kg前後である超薄層マット植物を使うと、これまで不可能であった金属折板屋根の緑化が可能である。しかし、培地の厚さが4cm、1m2当たりの重量が40kg前後の既存マット植物と比較して、より薄層の超薄層マット植物を生産する場合、苗の定植作業や活着が困難であり、生育も劣る傾向にある。そこで、より効率的に生産するための技術開発を行う。

成果の内容・特徴 1.
培地厚が薄いほど、生育やマット化に時間を要する(図1、2)。なお、薄層化は、2cmが限界である。
2.
ヤシ繊維シートを育成トレイの底に敷設すると、マット化が促進される(図2)。
3.
匍匐性の植物は、親株の周囲に培地のみ充填した育成トレイを配置し、そこに伸びて発根した時点で分離することで省力的な生産が可能である。トレイの配置は、市松配置、1列間隔の交互配置とする(図3、4)。

成果の活用面・留意点 1.
薄層ほど苗の定植が困難である。
2.
薄層ほど乾燥しやすく、急に乾燥することがあるため、灌水間隔や灌水量に留意する。季節によって異なるが、4cm厚のものと比べ、概ね2倍程度の灌水頻度となる。
3.
薄層ほど、トレイを傾斜させたり、排水用の紐をトレイの底に付け、停滞水を速やかに排水する必要がある。
4.
培地のみ充填した育成トレイを親株周辺に設置して生産する方法は、タイム、ヒメイワダレソウ、ポテンティラ、ミント類等の匍匐性植物に向いている。親株はトレイ栽培の状態でも構わないが、露地植えする方が旺盛な生育を示すため、増殖効率が高まる。
5.
培地のみ充填した育成トレイ上に匍匐茎が伸び出したら、籠トレイ等をかぶせ、軽く転圧すると、接地点が増え、発根し易くなるためマット化が促進される。
図表1 218034-1.gif
図表2 218034-2.gif
図表3 218034-3.gif
図表4 218034-4.gif
カテゴリ 乾燥 栽培技術 タイム

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