タイトル | バラの循環式ロックウール栽培の給液調整法及び適用品種 |
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担当機関 | 千葉農総研 |
研究期間 | 2001~2004 |
研究担当者 |
細谷宗令 種谷光泰 神田美知枝 青木孝一 浅野清一郎 |
発行年度 | 2005 |
要約 | バラの循環式ロックウール栽培において、排液の硝酸態窒素濃度もしくはECから各成分の補充濃度を推測して簡易に培養液を補正できる。廃液(廃棄する排液)排出量は従来の1/10になり、使用水量は3割、硝酸態窒素の施用量は6割削減できる。主要品種の「ティネケ」、「ローテローゼ」は、この栽培方法への適応性が高い。 |
キーワード | バラ、ロックウール栽培、循環式、給液調整法、排液EC |
背景・ねらい | 本県のバラ生産におけるロックウール栽培は、全てかけ流し式(非循環式)であり、給液量の20~40%が、廃液として排出されている。 そこで、廃液排出量の削減を図り、培養液を循環させるための給液調整法及び適用品種を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. かけ流し栽培における排液の各成分濃度の変化を調査した結果、バラが吸収したと想定される硝酸態窒素(NO3-N)濃度とカリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)の濃度に高い相関が見られた(図1)。よって、排液の硝酸態窒素濃度もしくはECから、硝酸態窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウムの補充濃度を推測して簡易に培養液を補正する方法を考案した(表1)。なお、アンモニア態窒素(NH4-N)、リン(P)や微量要素(Fe、Mn、Zn、Cu、B、Mo)は一定濃度で施用する。培養液補正は給液毎に行う。 2. 培養液補正10回に1回の割合で、排液を全量廃棄し、給液を新規に作成することで安定した循環栽培が可能になる(データ省略)。これにより、廃液排出量はかけ流し栽培の1/10に削減できる。 3. 本栽培方法は、かけ流し栽培と比較して使用水量は3割、硝酸態窒素の施用量は6割削減できる(図2)。 4. 「ティネケ」、「ローテローゼ」は、切り花本数及び品質の低下が小さく、本栽培方法に適する品種である(図3)。「ノブレス」は、切り花本数が減少し、「ゴールドストライク」、「パレオ」は、切り花長が短くなる傾向がある(データ省略)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 成果内容は、原水に逆浸透膜装置でろ過した地下水を使用して得られたものである。地下水のナトリウム、塩素、カルシウム等の成分が高い地域では、循環式栽培による成分の蓄積が想定されるため、雨水等を原水として利用することが望ましい。 2. 排液硝酸態窒素濃度の推定(表1)は、原水によって計算式が多少変わるので、使用する原水で計算式を新たに作成する。また、原水中にナトリウムが多い場合等は、排液ECからの硝酸態窒素濃度推定が困難であるため、直接、硝酸態窒素濃度を測定する。 3. 新規に作成する給液組成は、愛知花研バラ処方に準拠した。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | ばら 品種 |