シクラメンの販売時に有効な製品情報

タイトル シクラメンの販売時に有効な製品情報
担当機関 三重科技セ
研究期間 2004~2006
研究担当者 糀谷 斉
水谷 憲
西田悦造
鎌田正行
発行年度 2005
要約 シクラメンの商品価値を向上させるのに有効な情報は購入者の属性により異なる。年間購入数が少ない消費者には、家庭での管理方法等を記載した詳細なマニュアルの添付で、特に贈答用の高級品で効果が大きい。また、年間購入数が多く鉢花管理に関心の高い消費者には、出荷後の期間が短いことを示す情報の提供が有効である。
キーワード シクラメン、販売、添付情報、製品価値
背景・ねらい シクラメンには簡単な管理方法を記載したラベルを付けた製品は多くある。また、より詳細な管理マニュアルが添付されたものや、「自然開花咲き」などの製品特性情報を示す製品もある。しかし、これらの情報が消費者価値の向上にどの程度貢献しているかは明らかでない。そこで、販売時に添付することによって製品価値の向上に有効な情報を、マーケティング分野で用いられるコンジョイント分析により明らかにする。

成果の内容・特徴 1.
コンジョイント分析に用いる属性と水準は表1に示す。具体的には、4つの属性の各水準を組合せた複数の仮想商品を作成し、この購入希望順位を調査、解析する。なお、安価な家庭用と高価な贈答用の2場面を設定している。
2.
最も重視される情報の属性は、家庭用、贈答用ともに「管理方法情報」である(図1)。
3.
水準の部分効用値から、贈答用は家庭用に比べて管理方法の詳細マニュアルを添付することの効用が高く、また自然開花咲き表示の効用が0.02とほとんど無いといえる(図2)。
4.
家庭用の相対重要度を用いてクラスター分析で調査対象者の類型化を行うと、「管理情報重視型」(41.3%)、「価格重視型」(15.2%)、「開花情報重視型」(19.6%)、「出荷後日数重視型」(23.9%)の4種類に分類できる(表2)。
5.
「管理情報重視型」は詳細マニュアルの添付を重視し、「開花情報重視型」は自然開花咲きを重視する。この2つの類型は年間購入鉢数が平均1鉢台で少ない(表2)。
6.
「価格重視型」は安値ほど効用が高くなり、「出荷後日数重視型」は出荷後の日数が短いほど効用が高くなる。この2つの類型は年間購入鉢数が2鉢以上と多く、また鉢花管理を「好き」と答える割合も70%以上と高い(表2)。

成果の活用面・留意点 1.
この調査の評価対象は5号鉢のシクラメンで、低価格層と高価格層のそれぞれにおいて品種や外観品質が同一であることを前提としている。
2.
製品価値を高めるための情報提供は、購入する消費者の鉢花管理への関心や年間購入鉢数などにより異なることから、例えばインターネットを活用するなど消費者の視点に立った新しい方法も検討する必要がある。
3.
この結果は、一般家庭でシクラメンの管理を行い日持ち性を見るテストモニターとして募集した三重県と名古屋市の計46名による評価を基にしている。また、調査はシクラメン管理が終わった後に行ったことから、日持ちに対する関心が一般の消費者より高かったと推察される点は留意する。
図表1 218052-1.gif
図表2 218052-2.gif
図表3 218052-3.gif
図表4 218052-4.gif
カテゴリ シクラメン 出荷調整 品種

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