タイトル | 葉根菜類の生育に対する生分解性プラスチックマルチの連用すき込みの影響 |
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担当機関 | 埼玉農総研 |
研究期間 | 2000~2005 |
研究担当者 |
庄司俊彦 杉山正幸 |
発行年度 | 2005 |
要約 | ポリブチレンサクシネートやポリ乳酸などを原料にした生分解性プラスチックは、葉根菜類のマルチ資材として4年間以上連用してほ場にすき込みを行っても、ミズナやダイコンの生育には影響がなく、慣行のポリエチレンマルチと同等の収量が得られる。 |
背景・ねらい | 生分解性プラスチックマルチは収穫後に土壌中へのすき込みが可能で、農業用プラスチックの排出量の低減のみならず、使用済みマルチの処理労力が軽減できることから注目されている。そこで、生分解性プラスチックマルチの長期連用によるすき込みが葉根菜類の生育に及ぼす影響を調査し、ポリエチレンマルチの代替となりうるかを明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. ホウレンソウ、コカブ等の葉根菜類のマルチ栽培で、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジベート・テレフタレート、ポリ乳酸等を原材料にした生分解性プラスチックマルチを、4年間7作以上連用してすき込んだ後、ミズナやダイコンを作付けしても、生育に影響はみられず、ポリエチレンマルチと同等の収量が得られる(表1、表2)。 2. 土壌すき込み後の資材片の分解は、ポリブチレンサクシネート及びポリカプロラクトンでは比較的早いが、ポリブチレンアジベート・テレフタレート、ポリ乳酸及び澱粉基コボリエステルでは遅く、すき込み約2カ月後でも資材片が多く残る(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 原材料の種類やマルチの厚さ・材質によってすき込み後の分解速度が異なるので、土壌中での分解状況を考慮して次作を栽培する必要がある。 2. 物理的に亀裂を生じる種類もあるので風の強い場所では資材を選択する必要がある。 3. 生分解性プラスチックマルチはポリエチレンマルチに比べて地温が低下しやすいため、低温期の栽培では他の保温対策を行う必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | かぶ だいこん ほうれんそう みずな |