タイトル | のらぼう菜川崎在来系統は早生性を特徴とする洋種ナタネである |
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担当機関 | 神奈川農技セ |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
北浦健生 河田隆弘 北 宜裕 |
発行年度 | 2005 |
要約 | のらぼう菜の川崎在来系統は概ね3系統にグループ分けできる早生性を特徴とする洋種ナタネ(Brassica napus)である。 |
キーワード | のらぼう菜、ナバナ、洋種ナタネ、Brassica napus |
背景・ねらい | 川崎市多摩区菅地域で古くから栽培され、花蕾および茎葉を食用にするアブラナ科の在来野菜であるのらぼう菜の統一ブランドとして生産の安定化および拡大を図るため、収穫期に関する系統間の遺伝的変異を明らかにするとともに、染色体観察およびフローサイトメトリーを用いた種の同定を行ない、川崎在来系統の基本特性を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 播種から抽だい迄の生育日数(以下、抽だい迄日数)には、在来系統間では154日から203日の約50日の幅があり、大きな遺伝的変異が存在する。対照品種に加えた、品種登録特性審査基準における抽だい性「中」の標準品種である「宮内菜」に比べると、すべての川崎在来系統は抽だい迄日数が短く、早生性が川崎在来系統の特徴である。川崎在来系統はさらに抽だい迄日数によって154日の早生、180日前後の中生および200日前後の晩生の3グループに類別される。この早晩性に関するグループの年次変動は無い(図1)。 2. 川崎在来系統No.13は、花粉母細胞の染色体数がn=19を示し、洋種ナタネ(Brassica napus)である(図2)。次に種を同定したNo.13とカブ(Brassica rapa、覆下相模(サカタのタネ))および他の在来13系統とのフローサイトメトリーを用いたDNA含量の比較から、DNA含量の差異はNo.13とカブとの間で認められたが(図3)、在来系統間には認められないため(図4)、のらぼう菜の川崎在来系統は全て洋種ナタネ(Brassica napus)である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. のらぼう菜に関する消費者からの問い合わせに対応できるように、川崎在来系統の基本特性に関する情報を生産者に提供する。 2. 系統内の早晩性を活用することにより、川崎在来系統の出荷期間を拡大することが可能になる。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | あぶらな かぶ 出荷調整 なたね なばな 播種 品種 |