香気の高い冷涼茶産地向き茶新品種候補「埼玉35号」

タイトル 香気の高い冷涼茶産地向き茶新品種候補「埼玉35号」
担当機関 埼玉県農林総合研究センター
研究期間 1966~2005
研究担当者 内野博司
久米信夫
小林 明
田中江里
石川 巌
酒井 崇
嶋崎 豊
京極英雄
岡野信雄
中島健太
本多勇介
淵之上康元
北田嘉一
田中万吉
船越昭治
発行年度 2005
要約 「埼玉35号」は、製茶品質の高い緑茶用新品種候補である。生葉を萎凋させることによって、香気と滋味が向上する。関東等の冷涼茶産地において「やぶきた」より摘採期が約1日遅い中生で耐寒性が強い。
キーワード チャ、緑茶、萎凋、耐寒性、中生品種
背景・ねらい 近年、嗜好の多様化により、緑茶においては香気や滋味に優れ特徴のある品種への要望が今まで以上に強くなってきている。このことから、北部の冷涼な茶産地において耐寒性が強く、従来の品種以上に香気や滋味の品質特性に優れる品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「埼玉35号」は、1968年に埼玉県茶業研究所(現埼玉県農林総合研究センター茶業特産研究所)において、「やぶきた」×「埼玉9号」の交配から採種された実生群より選抜された栄養系である(図1)。
  2. 製品の形状及び色沢は「やぶきた」より評価が高い。内質は香気、水色、滋味とも「やぶきた」並である。また、水分減約15%から20%の萎凋により、香気と滋味は高くなる(表1、2)。
  3. 樹姿は直立型で、樹勢はやや強い。一番茶の摘採期は「やぶきた」より約1日遅い中生である(表3)。収量は一番茶、二番茶とも「やぶきた」程度である(表1)。
  4. 耐寒性は、赤枯れ抵抗性、青枯れ抵抗性とも「やや強」で、また、裂傷型凍害抵抗性も「強」でいずれも「やぶきた」に勝る(表3)。
  5. 炭疽病抵抗性は「やや強」、輪斑病抵抗性は「中」でいずれも「やぶきた」より強い(表3)。北部茶産地では通常防除の必要はない。
成果の活用面・留意点
  1. 香気を重視した茶を生産・販売する農家に適する。
  2. 香気を高く発揚させるには、摘採葉は広げて萎凋させる。晴天時の萎凋程度は水分減約15%から20%で、萎凋時間で2時間から4時間程度を目安とする。
  3. 関東等の冷涼茶産地及び気象の類似する山間茶産地に適する。特に栽培が多い中生種「やぶきた」で耐寒性や炭疽病が問題となる地域でも、それに代わって栽培が可能である。
図表1 218083-1.jpg
図表2 218083-2.gif
図表3 218083-3.gif
図表4 218083-4.gif
カテゴリ 病害虫 新品種 耐寒性 炭疽病 抵抗性 凍害 品種 防除

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