タイトル | 生ごみメタン発酵消化液の定植前ブロッコリー苗への施用効果 |
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担当機関 | 埼玉農総研 |
研究期間 | 2005~2005 |
研究担当者 |
相崎万裕美 川田晃寿 |
発行年度 | 2005 |
キーワード | ブロッコリー、生ごみ、メタン発酵消化液、根量、初期生育、セル苗 |
背景・ねらい | 埼玉県比企郡小川町では、試験的にメタン発酵バイオマスプラントを設置し、生ごみの循環資源化事業に取り組んでいる。生ごみからエネルギーを生産するメタン発酵技術は全国的にも脚光を浴びているが、同時に発生する消化液を発酵施設と同程度のコストをかけて水処理施設を設けなければならないなど、その処理に苦慮している。 メタン発酵消化液を液肥として利用し、有効な資源として活用できれば水処理コストが削減される。そこで、メタン発酵消化液を有効利用するため、肥料的効果を明らかにし、労力のかからない施用方法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 生ごみメタン発酵消化液の肥料成分の主成分は1,500~1,700mgL-1のアンモニア態窒素と1,000mgL-1の加里で、pHは7.3~8.4で有害な重金属等をほとんど含まない(データ省略)。 2. 定植前約1週間のブロッコリーセル苗にメタン発酵消化液を株元施用した結果、苗質は地上部重、草丈、葉色とも無処理(水灌水)と同等であるが、根重は倍増する(図1)。 3. メタン発酵消化液を処理したブロッコリー苗は、定植後の初期生育が旺盛となり、定植1ヶ月後では無処理(定植後は同一処理)に比べ草丈が15~45%上回る(図2)。 4. メタン発酵消化液を処理したブロッコリーは収穫期まで生育が良好で、無処理に比べ収量が増加する(表1)。 5. ブロッコリーの場合1セル(30×30×45mm)当たり窒素の適量は約50mgであり、128穴セルトレイ1枚、1回施用に必要なメタン発酵消化液量は約1リットルである。10a当たり40枚のセルトレイを使用し、4回施用する場合に必要なメタン発酵消化液は、160リットルであり、窒素施用の適量となる。 6. これらのことから、セル苗への定植前株元施用は、メタン発酵消化液の省力的利用技術として有効である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. メタン発酵消化液を施用する際には100リットルに対し木酢液を1リットル添加する。アンモニアの揮散を防ぐとともに防臭効果も得られる。 2. メタン発酵消化液原液の大腸菌及び大腸菌群はそれぞれ、7cfuml-1、12cfuml-1で含まれる衛生指標菌は極めて少ない。 3. メタン発酵消化液の窒素濃度はやや変動するので施用前に窒素濃度を測定しておくことが望ましい。 4. 過剰施用は生育を阻害するので、施用は4回までとする。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 コスト 栽培技術 ブロッコリー メタン発酵消化液 |