底面給水鉢花栽培における光触媒・酸化チタンを利用した養液の殺菌技術

タイトル 底面給水鉢花栽培における光触媒・酸化チタンを利用した養液の殺菌技術
担当機関 愛知農総試
研究期間 2001~2006
研究担当者 平野哲司
山口徳之
加藤晋朗
発行年度 2005
要約 光触媒・酸化チタンを利用した殺菌装置は、養液中の土壌伝染性病原菌であるシクラメン萎凋病菌、キク青枯病菌、バラ根腐病菌、バラ疫病菌に対して、殺菌や増殖抑制効果がある。
キーワード 光触媒、酸化チタン、養液、殺菌、底面給水鉢花
背景・ねらい エブアンドフローなどの底面給水鉢花栽培では、土壌伝染性病原菌の持込みによる土壌病害の発生が問題となっており、養液を介して急速に蔓延するため、持ち込まれた病原菌の増殖を抑制し、被害を最小限に抑えることが重要となっている。このため、光触媒・酸化チタンを利用した養液の殺菌技術を検討する。

成果の内容・特徴 1.
本技術は、光によって励起された酸化チタンの酸化力、還元力を利用して、微生物を殺菌するもので、養液の給液系とは別に養液タンクの養液を循環殺菌するものである。
2.
シクラメン萎凋病菌(Fusarium oxysporum)を1時間で99%、9時間で検出限界以下まで殺菌できる(図1)。
3.
キク青枯病菌(Ralstonia solanacearum)を3時間で95%、12時間で99%、18時間で検出限界以下まで殺菌できる(図2)。
4.
バラ根腐病菌(Pythium helicoides)の卵胞子を接種した鉢を持ち込んでも、50日後まで感染拡大を、5か月後まで発病の進展を抑制できる(図3、一部データ省略)。
5.
バラ疫病菌(Phytophthora megasperma)の卵胞子を接種した鉢を持ち込んでも、6か月後まで感染拡大を抑制できる(図3)。
6.
コンパクトな装置なので、底面給水用プールベンチの下などのデッドスペースに設置できる(図4)。
7.
実証中の農家の1例として、培養液10トン当たり光触媒殺菌装置3台、循環用ポンプ1台、毎日10時間稼働条件でのランニングコストは、電気代が年間約1万5千円、紫外線ランプ等消耗品が約3万円、農家が自分で設置した場合の装置代等は約30万円と安価である。

成果の活用面・留意点 1.
感染、発病している植物に対する治療効果はないので、発病株は除去する。
2.
常時運転が効果的だが、効果が不十分な場合は設置台数を増やすか、流速をより遅く設定する。
3.
鉄、マンガンの不溶化による欠乏症が発生する場合は、養液組成の調整が必要である。
4.
光触媒の能力をより高めれば、養液殺菌装置として利用可能である。
図表1 218179-1.gif
図表2 218179-2.gif
図表3 218179-3.jpg
カテゴリ 青枯れ病 きく コスト シクラメン 根腐病 ばら

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