タイトル | ナシ園におけるカブリダニ類の発生状況と薬剤感受性 |
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担当機関 | 栃木農試 |
研究期間 | 2004~2005 |
研究担当者 |
山城都 若桝睦子 |
発行年度 | 2005 |
要約 | 栃木県のナシ園では、ミヤコカブリダニが優占種である可能性が高い。ミヤコカブリダニ雌成虫に対する薬剤感受性はピメトロジン水和剤、ビフェナゼート水和剤が低く、テブフェンピラド水和剤が高い。 |
キーワード | ナシ、土着天敵、ミヤコカブリダニ、薬剤感受性 |
背景・ねらい | ナシでは、コンフューザーの導入により、殺虫剤の散布回数を大幅に削減できるようになった。これに伴い、土着天敵の発生が増加し、ハダニ類等の密度抑制に関与していることが明らかとなっている。 そこで、栃木県のナシ園におけるカブリダニ類の種構成と発生状況を明らかにし、それに対して影響の少ない薬剤の選定を行う。 |
成果の内容・特徴 | 1. 栃木農試ナシほ場において、ミヤコカブリダニ、ミチノクカブリダニ、フツウカブリダニおよびコウズケカブリダニが確認された。調査期間を通じてミヤコカブリダニが主体であった(図1)。 2. 栃木県内の主なナシ産地4ほ場において、ミヤコカブリダニ、ミチノクカブリダニ、イチレツカブリダニおよびフツウカブリダニが確認された。カブリダニの発生は8月に多く、ミヤコカブリダニが主体であった(図2)。以上から、本県のナシ園ではミヤコカブリダニが優占種である可能性が高い。 3. ミヤコカブリダニ雌成虫の殺虫剤17薬剤に対する感受性は、合成ピレスロイド系、IGR系、ネオニコチノイド系、ピリジンアゾメチン系が低く、有機リン系、カーバメート系、テブフェンピラド水和剤が高い(表1)。 4. 芳賀および南那須個体群ともに、各薬剤に対しほぼ同様の検定結果が得られ、個体群による薬剤感受性の大きな違いは認められない(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. カブリダニ類の種構成は、調査時期、殺虫剤の使用状況やハダニ類の発生量等によって変動する可能性がある。 2. カブリダニ類に対して感受性の低い薬剤を選択して防除を行うことにより、土着天敵を保護しながらハダニ類の防除を行うことが可能である。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 病害虫 土着天敵 防除 薬剤 |