タイトル | 露地野菜栽培における家畜ふん堆肥中リン酸、カリの有効活用 |
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担当機関 | 新潟農総研 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
竹田宏行(新潟園研セ) |
発行年度 | 2005 |
要約 | 家畜ふん堆肥を露地野菜栽培で連用すると、通常化学肥料で施用するリン酸、またはカリの施用量を、堆肥の成分で代替でき、リン酸、カリの化学肥料削減が可能である。ただし、窒素が不足するので、必ず不足量を単肥の化学肥料で施用する。 |
キーワード | 家畜ふん堆肥、リン酸、カリ、化学肥料削減 |
背景・ねらい | 土壌の物理性改善、地力向上、生物性の活性化を主たる目的として、家畜ふん堆肥を積極的に施用するよう指導してきた。しかし、家畜ふん堆肥は、リン酸やカリ含量が高いにもかかわらず、これらの過剰蓄積、塩類障害などの危険について十分考慮されてこなかった。そこで、家畜ふん堆肥中の肥料成分を考慮した、適正な施用方法と効果を示す。 |
成果の内容・特徴 | 1. 露地野菜栽培において、堆肥に多量に含まれるリン酸とカリを考慮して、堆肥の施用量を設定する(表1)。このとき、堆肥中成分含有率をもとに、慣行施肥成分量を基準としてリン酸は2倍以内、カリは過剰が1kg/10a以内に収まるよう投入量を決定する。不足する窒素とカリは化学肥料の単肥で調整する。特に、窒素は有効成分(培養無機態窒素)が通常かなり少ないので、不足量を必ず化学肥料で施用する。 2. 1の施肥方法により露地野菜を栽培すると、家畜ふん堆肥由来のリン酸、カリは、化学肥 料のみで栽培した場合と同様に作物に吸収、利用されるため、同等の収量を確保することが可能である(図1、表2)。 3. 堆肥の連続施用により、土壌中炭素(有機物)の消耗を防止できる。豚ぷん、鶏ふん堆肥では、リン酸の蓄積が進む傾向がみられるので、定期的に土壌分析を行い、それに基づいて堆肥の施用方法(堆肥種類、施用量)を検討する(図2)。 4. これにより、不必要な化学肥料の投入を抑制し、リン酸、カリの過剰蓄積を軽減できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 平成14年秋作から16年秋作まで、同一ほ場(褐色低地土)での家畜ふん堆肥の連続施用による主要露地野菜、連続5作の栽培試験の結果である。 2. 家畜ふん堆肥の培養無機態窒素は、インキュベーション試験(ここでは30℃、8週間とした)により求める。 3. 家畜ふん堆肥の成分は、畜種、作成方法、腐熟期間などにより一定ではないので、特性、成分含有量を十分に把握し、作物の生育を阻害しない良質のものを使用する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 施肥 鶏 豚 野菜栽培 |