タイトル | 光線管理と高エネルギー飼料給与を組み合わせた鶏卵重のコントロール |
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担当機関 | 群馬畜試 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
後藤美津夫 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 光線管理による性成熟抑制で産卵初期の卵重を増加させ、産卵中・後期に高エネルギー飼料で飼料摂取量を減らすことで、タンパク質の摂取が抑制され卵重増加も抑えられ、卵重の変動を少なく推移させることができる。 |
キーワード | 家禽、ニワトリ、卵用鶏、高ME飼料、卵重コントロール |
背景・ねらい | 1. 最近の採卵鶏は産卵持続性が高いが、栄養レベルの変化が産卵個数よりも卵重や卵殻に先に現われる傾向があり、卵重のコントロールは比較的容易になったといえる。 2. 産卵初期の小卵、産卵後期の大卵は商品価値が低いため、これらを減らすことは経営上重要な課題といえる。 3. 市場占有率の高い卵重の大きい採卵鶏に対し、光線管理による性成熟抑制で産卵初期の卵重を大きくする方法と、産卵中・後期に飼料の代謝エネルギー(ME)含量を高め、飼料摂取量を減らすことでCP摂取量を抑制し、卵重をコントロールする方法を組み合わせ、卵重の変動を少なく推移させる飼養管理方法について検討した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 性成熟の抑制は、飼養マニュアルに準じた18週齢からの漸増光線処理(通常)に対し、20週からの漸増光線処理(抑制)とし、これにより50%産卵到達日齢は約6日遅延するが、60g到達日齢は約9日早くなった(図1)。 2. 卵重が約62~63gに達する270日齢時以降に、通常飼料(2,850kcal/kgに対し、2,993kcal/kg(271~300日齢及び391~450日齢に給与)及び3,135kcal/kg(301~390日齢に給与)、CPは18%で統一した)を給与することで飼料摂取量が最大で約4g減少しCPの摂取量が約3.5%制限できる(図2)。 3. CP摂取が制限されることで、卵重の増加が緩慢となり産卵後期の卵重が抑制できる(図3)。 4. 以上、性成熟調整と高ME飼料給与を組み合わせることで、産卵初期の卵重を大きくし、産卵中・後期の卵重増加を抑え、卵重変動を少なく推移させることができる。 5. 平均卵重は低下するが、ヘンディ産卵率及び飼料要求率に影響は見られなかった(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 産卵期間を通しての卵重コントロールに活用できる。 2. 春ヒナ(5月ふ化)及び無窓鶏舎での成績である。 3. MEの調整には、食品加工廃油の精製油(飼料原料として流通している)を活用することでコストの上昇を抑えられる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 加工 経営管理 コスト 飼育技術 鶏 |