高脂質・高タンパク質コンビニエンスストア残さの地鶏用飼料への添加

タイトル 高脂質・高タンパク質コンビニエンスストア残さの地鶏用飼料への添加
担当機関 千葉畜総研
研究期間 2006~2008
研究担当者 村野多可子
青木大輔
発行年度 2006
要約 コンビニエンスストアから排出される消費期限切れの食品の内、高脂肪の素材を乾燥処理後一般配合飼料に0、10、20%上乗せして地鶏(房総地どり)に給与すると、発育が改善され、嗜好性に差がない肉が生産される。
キーワード コンビニエンスストア、食品残さ、地鶏、発育成績、肉質成績
背景・ねらい コンビニエンスストアから排出される消費期限切れの食品は、現在、豚の飼料として利用が推進されつつある。しかし、そのうち高脂肪・高タンパク質な素材は肉質への影響が懸念されるため飼料としての利用が敬遠されがちである。これら高脂肪・高タンパク質の素材を千葉県で作出した「房総地どり」に給与し、食品残さの有効利用と飼料費の低減を図る。

成果の内容・特徴 給与した食品残さは、弁当のおかず、惣菜、調理パン、具入り麺、菓子類などを加熱乾燥したものである。食品残さの成分値を表1に示す。肉質検査は「鶏肉の品質評価に関する研究実施要領」、官能評価は「食肉の官能評価ガイドライン」に準じ実施している。
1.
体重は10%上乗せ群が3週齢まで、20%上乗せ群が4週齢まで対照(0%)群と比べて明らかに高い値で推移する(p0.05)が、その後は各群間に有意な差はみられない(表2)。
2.
飼料摂取量は上乗せ量が多くなるほど減少する傾向にある。1羽あたりの総摂取量は20%上乗せ群が8.3kg(内、残さ1.7kg)、10%上乗せ群が8.7kg(内、残さ0.9kg)、対照群が9.5kgと大きな差がみられる。飼料要求率は20%上乗せ群がもっとも低い値で推移する。
3.
解体成績は生肉、可食内臓、脂肪割合などに群による明らかな差はみられない。
4.
理化学的肉質検査は浅胸筋と大腿二頭筋、長腓骨筋、半腱様筋を用いた。加熱損失率は10%上乗せ群が他の群より明らかに低い値を示し(p0.05)、せん断力価で20%上乗せ群が対照群より明らかに高い値を示す(p0.05)(表3)。肉色、脂肪色は差がみられない。
5.
官能評価は嗜好型官能評価法を用い、当センター職員32名を対象に一口大に切ったむね肉、もも肉をホットプレート(240℃、10分)で焼き、その場で試食。むね肉、もも肉とも嗜好性に差はみられない(順位法・Kendallの一致性の係数)(図1)。イノシン酸含量はむね肉、もも肉とも有意な差はみられないが、むね肉での含有量が上乗せ量に併行して増加する傾向にある。

成果の活用面・留意点 1.
食品残さを有効利用し、飼料費の軽減が期待出来る。
2.
美味しい鶏肉の作出が可能になると考えられ、残さを給与した地鶏の肉を用いた惣菜をコンビニエンスストアで販売してもらい、消費者に食品残さを理解してもらう。
3.
食品残さに含まれる脂肪の酸化を防ぐ技術の検討が必要である。

図表1 218275-1.gif
図表2 218275-2.gif
図表3 218275-3.gif
図表4 218275-4.gif
カテゴリ 乾燥 評価法

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