天ぷらカス(搾油後)の採卵鶏への給与は卵の嗜好性向上に有効

タイトル 天ぷらカス(搾油後)の採卵鶏への給与は卵の嗜好性向上に有効
担当機関 東京農総研
研究期間 2005~2005
研究担当者 小嶋禎夫
発行年度 2006
要約 食品残さを飼料利用するための、採卵鶏への天ぷらカスの10%混合給与は、卵重が増加し、消費者における卵の嗜好性は向上する。
キーワード ニワトリ、天ぷらカス、食品残さ飼料、官能評価
背景・ねらい 外食産業の一つである天丼チェーン店から排出される天ぷらカスの搾油残さ(以下、「天カス」とする)は、小麦粉が原料の主体であるうえに、雑多な食品残さに比して栄養成分の安定が見込まれる。そこで、食品残さの飼料化を図るため、天カスの栄養価および採卵鶏への給与(重量比により天カスを0%、1%、3%、5%および10%混合して各区12羽に給与)による生産性および生産卵への影響を明らかにする。

成果の内容・特徴 1.
天カスは、粗蛋白質を14.2%、粗脂肪を35.2%含み、過酸化物価は2.3meq/kgである(表1)。
2.
天カスの混合割合が増加するに従って、産卵率および産卵日量は低下傾向を示す。天カス10%区は、0%区に比して産卵率が5.5ポイント低下するが、卵重が有意に増加し、飼料効率には差がない(表2)。
3.
天カスの脂肪酸組成は、リノール酸42.7%とオレイン酸42.2%が多く、次いでリノレン酸9.4%およびパルミチン酸4.5%の順である(表3)。
4.
天カス混合給与によって生産された鶏卵の卵黄脂肪酸組成は、給与飼料中の天カスの影響を受けて不飽和脂肪酸が直線的に増加し、不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸比が対照区の3.3に対して10%区は4.0に増加する(表3)。脂肪の融点が変化することで、舌触り、口解けおよびなめらかさが向上する。
5.
ゆで卵を用いた消費者型官能評価における天カス10%区を0%区と比較した場合の評価値は、全ての評価項目で天カス10%区の成績が0%区を上回り、特に卵黄では外観の良さ、匂いの良さ、味の良さおよび総合評価に有意差が認められる(図1)。天カスを混合給与することによって消費者における卵の嗜好性が向上する。

1.
卵の嗜好性を向上させることから、付加価値を高めた鶏卵の生産に利用できる。
2.
全国の量販店等の総菜部から排出される天ぷらカスの飼料化に貢献できる。
3.
本成果は、特定の天丼チェーン店から排出される天ぷらカスを用いたものであり、成果の活用に際しては事例ごとに成分値の把握が必要である。
成果の活用面・留意点 1.
卵の嗜好性を向上させることから、付加価値を高めた鶏卵の生産に利用できる。
2.
全国の量販店等の総菜部から排出される天ぷらカスの飼料化に貢献できる。
3.
本成果は、特定の天丼チェーン店から排出される天ぷらカスを用いたものであり、成果の活用に際しては事例ごとに成分値の把握が必要である。

図表1 218277-1.gif
図表2 218277-2.gif
図表3 218277-3.gif
図表4 218277-4.gif
カテゴリ 小麦 飼料効率

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