タイトル | 備蓄草利用による肉用繁殖牛の冬季放牧技術 |
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担当機関 | 茨城肉牛研 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
合原義人 茨田潔 高橋覚志 谷島直樹 堀越忠泰 |
発行年度 | 2006 |
キーワード | 肉用繁殖牛、周年放牧、備蓄期間、ASP |
背景・ねらい | 1. 茨城県内の肉用牛繁殖経営は、高齢化により戸数・頭数とも減少しており、繁殖和牛の増頭を図るため、飼養管理労力の低減が求められている。 2. 放牧は省力化・低コスト化に有効であるが、茨城県内の公共牧場の利用期間は、4月から10 月下旬で、これ以外の期間は牛舎内で飼養している。 3. 公共牧場放牧地の一部を冬季放牧用に備蓄することで、周年放牧が可能となる。 4. 施肥量・施肥時期・備蓄開始時期・備蓄開始期間と草量の関係について検討すると共に、備蓄した放牧草地で繁殖和牛の周年放牧を実証する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 標高約120mにあるイネ科牧草・野草主体の草地における施肥時期の違いによる乾物収量は、5月施肥区より8月施肥区の方が多い傾向が見られる(表1)。 2. 備蓄開始時期の違いによる草量は、開始時期が遅いほど減少する傾向が見られる。 3. 備蓄期間と草量の関係は、備蓄期間が長いほど減少する傾向が見られる。 4. 施肥量は標準区は10a当たりN・P2O5・K2Oが9・8・8Kg、多肥区が14・12・14Kgで、5月下旬施肥区では多肥区の収量が多く、8月上旬施肥区では差はない(表2)。 5. この結果、備蓄草を用いた周年放牧を行う場合、予定の全草地に8月上旬に標準区の量で施肥を行い、冬季放牧計画に沿って当該牧区への入牧2ヶ月前から備蓄を開始するのが最も効率的である。ただし、利用が遅い牧区でも少なくとも9月中旬頃までには備蓄を開始する。 6. 備蓄草地(イネ科雑草・牧草主体)への肉用繁殖雌牛の冬季放牧は、16年度は190aに11月下旬から2頭を123日間、17年度は145aに11月下旬から3頭を84日間放牧し、前者では129CD、後者では174CDの牧養力が得られた。(表3)この間、体重の減少は見られなかった(図1)。 7. 以上の結果から、11月から3月まで備蓄草のみで冬季放牧を行うためには、おおむね1頭当たり1ha が必要である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 公共育成牧場については、管理者や放牧牛の所有者に周年放牧が可能であることを周知する。また、近年増加している遊休農地での周年放牧についても普及センターを通じて普及を図る。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 経営管理 雑草 飼育技術 省力化 施肥 低コスト 肉牛 繁殖性改善 放牧技術 |