タイトル | 生分解プラスチックポット素材の実用的な分解性評価法 |
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担当機関 | 三重科技セ |
研究期間 | 2005~2007 |
研究担当者 |
原正之 千田泰義 鎌田正行 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 生分解ポットの側面を短冊状に切断した切片を用い、土壌水分、温度を一定にした培養器中に土壌埋設し、経時的に重量変化、破断強度、開口率を測定することで各素材の実用的特性が評価できる。 |
背景・ねらい | 生分解性プラスチックポットの利用に当たっては、ポットを付した状態で植栽しても活着に影響がなく、栽培期間中には所定の強度が維持できる素材を対象植物の栽培期間、時期を考慮し的確に選択する必要があり、各種生分解素材の土壌中での分解特性を評価する手法が必要となる。生分解プラスチックの分解性評価には重量法や炭酸ガス測定法等の手法が採用されてきているが、実用的なポットの評価手法となっていない。 そこで、土壌中における有機物の分解評価手法である恒温培養法を応用した評価法を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 市販生分解ポット側面を短冊状に切断した切片をサラン布に挟み、使用予定土壌中に埋設し、土壌水分を最大容水量の50%、温度数段階の恒温条件下で培養する。経時的に取り出した切片を表面の土壌を落とすため超音波洗浄した後乾燥し重量を測定することで分解速度が評価できる。また同試料をスキャナーで画像化し画像処理をすることで開口率の変化を、レオメーターで破断強度を測定することで実用的取り扱い性を評価することが可能である(図1)。 2. 培養温度は各生分解素材の分解速度に大きな影響を示す。15℃と30℃では高温条件程分解速度は速くなるが、分解パターンの変化が認められないことから、この温度範囲の3温度水準で分解量を測定し、反応速度論的解析を行うことで分解速度の予測が可能である(図2)。 3. 生分解素材の分解速度(分解率)及び強度劣化速度(破断強度)は、堆肥混合の有無に認められるように土壌の種類及び微生物性により大きく影響を受ける(図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 評価に当たっては実際利用する土壌を用いるが、素材の一般特性の比較には、微生物性及び活性が同じ基準土壌を用いる必要がある。 2. 本法は、生分解ポットの選択の際に有効な情報を得られるが、植物毎の活着に必要な開口率を別途明らかにし、分解速度との関係を明確にする必要がある。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 画像処理 乾燥 評価法 |