タイトル | 施設内からマルハナバチを逃がさないための上手なネットの張り方 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 2005~2006 |
研究担当者 |
小出哲哉 矢部和則 山下文秋 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 天窓角や側窓上端部はハチが集まりやすく隙間ができやすいので充填剤やスポンジで隙間を無くし、出入り口はチャック式ネットを使用して二重構造とし、換気扇のネットはファンや駆動部に巻き込まれないように展張することでマルハナバチの逃亡を防止することができる。 |
キーワード | マルハナバチ、ネット、逃亡防止、外来生物法、特定外来生物 |
背景・ねらい | セイヨウオオマルハナバチは「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(以下、外来生物法)により特定外来生物に指定され、その利用には「特定外来生物に係る特定飼養等施設の基準」によって施設開口部へのネット展張が義務付けられた。しかし、施設開口部は様々な方式があり、それに対応した適切なネット展張法が示されていない。そこで、マルハナバチの逃亡箇所とハチを逃がさない上手なネット展張方法を明らかにしてマニュアル化する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 天窓でハチが逃げやすい箇所は、天窓の角とちょうつがい部である。天窓の角はハチが集まり易いので隙間の無いように固定する(図1a)。また、ちょうつがいや跳ね上げアームなどの可動部は、ネットの固定が難しいがスポンジなどで隙間を無くす(図1b)。 2. 跳ね上げ式側窓の上部両端は、隙間が出来やすくハチも集まり易いので、隙間をシリコン等の充填剤などで完全にふさぐ(図1c)。パイプハウス側窓や谷換気部では、ハウス内側からパイプ、ネット、ビニルの順で隙間が無いように張る。 3. 換気扇からも逃亡するので、ネット展張を行なう。ネットがファンや駆動部に巻き込まれないように余分な部分は切り取り、ネットはビニペットなどで確実に固定する(図1d)。 4. 出入り口のネットはチャック方式とし、上部や両端もビニペットなどで隙間無く固定する。また、扉とネットの二重構造にする(図1e)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 外来生物法の指定を受けたセイヨウオオマルハナバチの飼養には逃亡防止対策が必須となる。 2. 隙間をそのままにしておくと、毎日の積み重ねで相当数のハチが逃亡するので、ネットは隙間無く張り、破損箇所は速やかに補修する。 3. 在来種のクロマルハナバチは外来生物法の適用を受けないが、授粉効率を高めることと地域生態系への影響を最小限とするめに逃亡防止対策を講ずる必要がある。 4. 詳しいネット展張方法についてはマニュアル (http://www.pref.aichi.jp/nososi/seika/gijutujohou/siryou/maruhana.pdfに掲載)を参照のこと。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | マルハナバチ |