タイトル | 環境保全型養液栽培システムにおけるナス用培養液処方と給液管理方法 |
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担当機関 | 栃木農試 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
鈴木雅子 大島一則 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 閉鎖型の環境保全型養液栽培において、促成ナスの養分吸収量を基に培養液処方を開発し、本処方の給液管理例を作成した。給液ECは定植~厳寒期が1.3dS/m、3月以降は1.0dS/mで管理することで慣行のかけ流し方式と同等の収量品質が得られる。 |
背景・ねらい | 促成ナスの養液栽培は栃木県内に5ha導入されているが、余剰液を排出して栽培するかけ流し方式である。このため、余剰液中には窒素などの無機成分が含まれており環境への影響が懸念される。そこで、当県でトマトで開発した閉鎖型養液栽培システムを使用し、促成ナスにおいて余剰液を排出しない閉鎖型養液栽培技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 新たなナス用の培養液処方(改良処方)は、促成ナスの見かけの養分吸収量(合計)に基づいて作成し、この処方は大塚A処方よりCa、Mg、SO4が少ない(表1)。 2. 改良処方を用いた場合の養分吸収特性は、KやNは他の成分より吸収量が多く利用率も高いが、S及びMgは吸収量が少なく利用率も低い(表2)。 3. 作成した給液管理モデルは、ECを定植から2月までは1.3dS/m、2月からは1.2dS/m、3月以降除々に下げて1.0dS/m程度で管理することで、培地内養液ECが安定し、草勢も維持される(図1)。 4. 本方式では、慣行のかけ流し方式と同等の収量、品質が得られる(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本システムの詳細は、平成17年度研究成果情報「有機培地と改良処方を用いたトマトの閉鎖型養液栽培技術」を参考とする。 2. 本試験は、有機培地として「クリプトモス」、ナス品種に「式部」を用いている。 3. 給液は培地上からのみではなく、毛管吸水槽へも同時に行った方が培地内養液ECが安定する。培地上と毛管吸水槽の給液割合は、植物体が吸収する量の半量ずつとする。 4. 株当たり1回の培地給液量は100ml程度とする。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | くり 栽培技術 トマト なす 品種 養液栽培 |