タイトル | トンネル被覆または主茎摘心によるのらぼう菜の早期収穫法 |
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担当機関 | 東京農総研 |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
澁澤英城 沼尻勝人 田邊範子 |
発行年度 | 2006 |
要約 | のらぼう菜の収穫期は、花芽分化後の1月上旬~3月中旬のトンネル被覆により前進できる。また、「早生系統」では、低葉位の摘心で早期の高品質生産が可能となる。 |
キーワード | のらぼう菜、トンネル被覆、摘心、早期収穫技術 |
背景・ねらい | のらぼう菜は、東京都あきる野市(旧五日市町)の特産品で花茎を食用とするアブラナ科野菜である。花茎は、低温感応して分化した花芽がその後の高温によって生育したもので、通常3~4月の出荷となる。市場単価の高い1、2月からの早期出荷をめざして、花茎の生育を促進させるために効果的な有孔POフィルムのトンネル被覆期間と、早期の主茎摘心が収量に及ぼす影響を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「早生系統」および「晩生系統」ともに、トンネル被覆により主茎の収穫開始日は、無被覆と比べて7~10日早まり、側茎では「早生系統」で7~17日、「晩生系統」で12~20日早まる(表1)。 2. 「早生系統」では、被覆すると無被覆よりも2月の総収量は高い。「晩生系統」では、無被覆の場合3月上旬まで収量は皆無であるが、被覆すると2月下旬から収穫開始となり、被覆を続けることで総収量は増加する(図1)。 3. 花芽分化期を過ぎた1月初旬から被覆を開始し、3月中旬頃まで被覆することが早期出荷および増収に向け実用性が高い(図1)。 4. 適心したときの収穫開始日は、「早生系統」の側茎で、10葉摘心が約50日、13葉摘心が約30日無摘心の場合より早い。「晩生系統」では摘心の有無による差はみられない(表2)。 5. 上物収量および上物率への摘心の影響は、「早生系統」では小さいが、「晩生系統」では大きい。また、「晩生系統」では摘心すると側茎の1本重は無摘心の場合の約1/2である(表2)。 6. 「早生系統」では、7~19葉で摘心すると無摘心よりも2月の側茎収量は増加する。中でも10~13葉摘心では1月から収量が確保できる。「晩生系統」は、摘心により初期収量が少なくなる(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 12月下旬は「早生系統」では花房増殖期、「晩生系統」は花房分化期である。 2. 花芽分化前のトンネル被覆は花芽分化を遅延させるため減収する。 3. 「晩生系統」では摘心により収量・品質が低下することから、収穫期まで摘心はせずに栽培する。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | あぶらな 出荷調整 |