タイトル | 積雪地域でのギョウジャニンニクの無加温促成栽培技術 |
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担当機関 | 富山林技セ |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
村崎信明 松崎明子 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 積雪地域でギョウジャニンニクの促成栽培を行う場合、10月上旬に掘り上げ5℃、60日間の低温処理後、標高の低い地域の無加温施設では地温5~10℃で推移すれば2月に収穫できる。標高の高い地域の施設内では地温が5℃以下で推移するので3月の収穫となる。 |
キーワード | ギョウジャニンニク、促成栽培、休眠、地温 |
背景・ねらい | ギョウジャニンニクは、中山間地域に自生し、機能成分を多く含む品目として注目され、近年、栽培面積も拡大しているが、販売期間が4~5月と短く、生産量及び販売金額ともに少ない状況にある。生産の拡大を図るためには、価格の高い冬期に暖房費等のコストを抑えた促成栽培技術の確立が必要である。一方、これまでに休眠覚醒に必要な温度及び期間は、5℃で60日間であることを明らかにしている。そこで、最適な掘り上げ時期、休眠覚醒後の地温条件を明らかにして促成栽培技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 冷蔵庫で5℃、60日間の低温処理を行って休眠覚醒した6年生株を用い、標高の低い地域において、12月~2月の地温が5~10℃で推移する平地の無加温ハウスで栽培すると、2~3月の収穫割合は掘り上げ時期に関わらず高く、A品率も高い。また、標高が高い地域において、地温が5℃以下で推移する山間地の無加温ハウスで栽培すると、収穫割合は3月に急激に高くなる(図1、表1)。 2. 平地の無加温ハウスにおいては、12℃加温温室に比べ、収穫物の総葉重および株当たり葉重が重く、特に掘り上げ時期を10月上旬とした場合に2月の総葉重が最も重い。また、山間地の無加温ハウスにおいても12℃加温温室に比べ収穫物の総葉重および株当たり葉重が重く、特に掘り上げ時期を10月上旬とした場合に3月の総葉重が急激に増加することから、一時期に収穫する場合は、この時期の掘り上げが良い(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 冬期の積雪対策ができる園芸施設において複合品目として促成栽培に利用できる。 2. 標高の高い地域でも地温を5~10℃に管理して栽培すると2月に収穫でき、他の特産野菜より暖房費等のコストを抑えられる。 3. 暖冬年で標高の低い平地での促成栽培を行う場合は、地温が上がり過ぎて乾燥等により、収穫割合が下がることから、換気や水管理等に注意が必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 乾燥 ぎょうじゃにんにく コスト 栽培技術 中山間地域 水管理 |