マルチプレックスPCR法による国内主要イチゴ品種識別法

タイトル マルチプレックスPCR法による国内主要イチゴ品種識別法
担当機関 栃木農試
研究期間 2005~2005
研究担当者 田﨑公久
柏谷祐樹
天谷正行
発行年度 2006
要約 国内主要イチゴ25品種・系統を最大3回のマルチプレックスPCRによって識別することができる。特に主要品種の‘とちおとめ’および‘あまおう(福岡S6号)’を含む9品種に対しては1回のPCRで識別できる。
キーワード イチゴ、品種識別、DNAマーカー、マルチプレックスPCR
背景・ねらい 栃木県では、‘とちおとめ’に代表される県育成イチゴ品種の育成者権保護を目的として、すでにRAPD-STS化マーカーによるイチゴ品種識別技術方法を開発している。しかし、多サンプルの処理および流通過程での迅速な検査に対応するためには、検出操作の更なる簡易化および効率化が必要である。そこで、複数DNAマーカーを同時に検出できるマルチプレックスPCR法を用いた識別技術方法を開発する。

成果の内容・特徴 1.
本イチゴ識別技術は、PCRのみで識別を行うものであり、CAPS法と比べ制限酵素反応に要するコストおよび時間が不要である。さらにマルチプレックス化したことにより、簡易に行えることが特徴である。識別には、RAPD-STS化マーカー9個およびAFLP-STS化マーカー1個の計10個のマーカーの多型を利用する(図1)。
2.
識別可能なイチゴ品種は、国内主要8品種(‘とちおとめ’、‘さちのか’、‘さがほのか’、‘とよのか’、‘あまおう’、‘章姫’、‘女峰’、‘紅ほっぺ’、国内作付面積約93%)を含む25品種・系統である(表1)。
3.
10種類のプライマーをマルチプレックス用プライマーとして3セット{セット1(プライマー1~3)、セット2(プライマー4~7)、セット3(プライマー8~10)}に集約してあり、最大3回のPCRでイチゴ25品種・系統が識別可能である(図1、表1)。
4.
識別対象品種に応じて使用するプライマーセットを選ぶことで、最少回数でのPCRで識別を完了することができる(表2)。特に、‘とちおとめ’、‘とちひめ’、‘栃の峰’、‘苺香(メイヒャン:韓国育成品種)’はセット1で、‘あまおう’、‘さがほのか’、‘アスカルビー’、‘宝交早生’はセット2で、‘サンチーゴ’はセット3ののみで識別可能である(表2)。

成果の活用面・留意点 1.
本プライマーセットは、25品種・系統内でのみ識別が可能である。他品種に適用する場合は、本プライマーセットのバンドパターンを25品種・系統間と比較することが必要である。同一のパターンを示した場合、新規マーカーの開発が必要である。
2.
品種によっては、全くバンドがでないマーカーも用いられているので、ポジティブコントロールを加える必要がある。
3.
本技術は、「イチゴ品種のDNA配列差異を利用したマルチプレックスPCRに基づく識別方法」として特許出願中であるため、使用するには本県の許諾が必要である。

図表1 218402-1.jpg
図表2 218402-2.gif
図表3 218402-3.gif
カテゴリ いちご コスト DNAマーカー 品種

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