いもち病抵抗性が強く、極良食味の新品種候補系統「中部111号」

タイトル いもち病抵抗性が強く、極良食味の新品種候補系統「中部111号」
担当機関 愛知県農業総合試験場
研究期間 2003~2006
研究担当者 坂 紀邦
工藤 悟
城田雅毅
寺島竹彦
加藤恭宏
遠藤征馬
杉浦和彦
大竹敏也
井上正勝
発行年度 2006
要約 「中部111号」は温暖地東部では中生の中に属し、いもち病抵抗性が強く、「ミネアサヒ」「コシヒカリ」並みの極良食味のうるち系統である。いもち病防除を省けることで消費者ニーズに応えることができる。
キーワード イネ、うるち、いもち病圃場抵抗性、極良食味
背景・ねらい 山間・中山間地域では、いもち病の発生が水稲の安定生産を阻害する大きな要因であり、同病に対する農薬防除は必須になっている。一方、近年の国民の食に対する安全・安心志向の高まりから、農薬を減らした栽培が可能な米への要望が高い。このため、いもち病に対する農薬防除を省略しても栽培が出来るほど同病に対する抵抗性が強く、かつ「ミネアサヒ」、「コシヒカリ」に匹敵するおいしさを併せ持った良質のうるち品種の育成を目指す。
成果の内容・特徴 「中部111号」は、1996年に良食味の「中部100号」を母とし、多収の「チヨニシキ」と日中共同研究由来のいもち病抵抗性の強い「雲1425」のF7世代の系統を父として愛知県農業総合試験場山間農業研究所において人工交配を行い、そのF1を葯培養した後代から育成されたうるち系統である。
「中部111号」は、「ミネアサヒ」と比較して次の特徴がある(表1、図1)。
  1. 出穂期、成熟期は同じで、育成地では“中生の中”に属する。
  2. 稈長は5cm程度高く、穂長は0.4cm程度短い。穂数はやや多く、草型は“中間型”である。耐倒伏性は“中”である。
  3. 収量性はやや高い。
  4. いもち病真性抵抗性遺伝子型はPiiと推定され、葉いもち、穂いもち圃場抵抗性は共に“極強~強”である。縞葉枯病抵抗性は“罹病性”、穂発芽性は“難”、障害型耐冷性は“強”である。
  5. 玄米の外観品質は、ほぼ同じ良質である。千粒重は2g以上重く、粒大は、“中”である。
  6. 食味はやや柔らかく、粘りが強く、同等の極良食味である。
成果の活用面・留意点
  1. 適応地帯は温暖地の山間・中山間地域である。
  2. いもち病抵抗性は極強く、同病に対する農薬防除を省略した栽培が可能である。
  3. 耐倒伏性は“中程度”しかないので、過肥は慎む。
  4. 過肥、遅い穂肥は食味を低下させるので、適期・適正施肥に努める。
図表1 218432-1.gif
図表2 218432-2.gif
図表3 218432-3.gif
図表4 218432-4.gif
図表5 218432-5.png
図表6 218432-6.png
カテゴリ 病害虫 いもち病 縞葉枯病 新品種 施肥 中山間地域 抵抗性 抵抗性遺伝子 農薬 品種 防除 良食味

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