タイトル | 雨よけ栽培の導入によってブドウ晩腐病防除の殺菌剤散布回数が削減できる |
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担当機関 | 茨城農総セ園研 |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
冨田恭範 宮本拓也 小河原孝司 長塚久 |
発行年度 | 2006 |
要約 | ブドウ樹上にビニールを被覆する雨よけ栽培を導入することで、「展葉2~3枚期」、「開花終期」、「果粒小豆粒大~果粒大豆粒大期」のブドウ晩腐病への殺菌剤の散布を省略(約30%削減)できる。 |
キーワード | ブドウ、雨よけ栽培、巨峰、病害虫防除暦、殺菌剤、晩腐病、散布回数 |
背景・ねらい | ブドウに発生する晩腐病、黒とう病、べと病、さび病などの主要病害に対する防除は、茨城県露地巨峰病害虫防除暦に準じて実施している。しかし、ブドウ晩腐病は、県内のブドウ主産地において近年多発生傾向にあり、多発生時には十分な防除効果が得られない。そこで、ブドウ晩腐病に対する耕種的防除法として、雨よけ栽培を導入することで多発生時にも十分な防除効果が得られ、かつ殺菌剤の散布回数を削減できる防除体系を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 甚発生条件下(無処理の発病度が平成16年は55.4、平成17年は81.4)において、雨よけ栽培・殺菌剤削減区では、平成16年の発病度が3.9、防除価が93、平成17年の発病度が3.7、防除価が95を示し、いずれも防除効果が高い(表1)。一方、露地栽培・県防除暦殺菌剤散布区では、平成16年の発病度が20.6、防除価が63、平成17年の発病度が18.4、防除価が77となり、十分な防除効果が得られない(表1)。 2. 雨よけ栽培を導入した場合、現在の茨城県露地巨峰病害虫防除暦における「展葉2~3枚期」、「開花終期」、「果粒小豆粒大期~大豆粒大期」の3回の殺菌剤の散布を省略できる。これは、「休眠期」から「袋かけ直後」までの期間において、現行の殺菌剤の散布回数の約30%削減(平成16年は36%の削減、平成17年は29%の削減)となる(表2、表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 雨よけ栽培導入による殺菌剤削減は、黒とう病、べと病、さび病など、主要病害に対しても適用できる。 2. ビニール被覆除去直前の防除を徹底するとビニール被覆除去後も病害の発生を抑制できる。 3. 雨よけ栽培ではうどんこ病の発生が助長されるので、発生が認められたらトリフルミゾール水和剤やイミベンコナゾール水和剤などを散布して初期防除を徹底する。 4. アザミウマ類、ハダニ類などの微小害虫の発生に注意し、初期防除を徹底する。 5. 発芽後、すみやかにビニール被覆を行う。 6. 果実の着色が悪くなるため、ビニール除去は、袋かけ後に早めに行う。 7. 雨よけ栽培ではビニールを被覆している期間は施設栽培とみなされるため、マンゼブ剤の開花後の散布はできない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 うどんこ病 施設栽培 大豆 微小害虫 病害虫防除 ぶどう 防除 |