タイトル | 東京都のエダマメにおけるダイズシストセンチュウの発生と被害 |
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担当機関 | 東京農総研 |
研究期間 | 2005~2005 |
研究担当者 |
伊藤綾 栄森弘己 竹内浩二 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 東京都内のエダマメ圃場で発生している葉の黄化や生育不良は、主にダイズシストセンチュウに起因している。生育不良が顕著な江東地域のエダマメ栽培圃場では、栽培前の土壌から乾土1gあたり平均85個の卵が検出される。 |
キーワード | エダマメ、ダイズシストセンチュウ、生育不良 |
背景・ねらい | 東京都のエダマメは直売品目として人気が高いため、消費地に近い有利性を活かして20年以上前から江東地域を中心に栽培されている。しかし、近年になって葉の黄化や生育不良などが顕在化してきており、2000年にはダイズシストセンチュウHeterodera glycinesの被害を数圃場で確認した。そこで、エダマメの生育不良の原因解明とその対策のため、都内における本種の発生状況を調査し、被害実態を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 葉や莢の黄化や生育不良は、施設で5月頃、露地で5~6月頃に発生し、症状の著しい場合は枯死に至り減収となる。葉付きで出荷することが多いため葉や莢の黄化は商品価値を低下させる。江東地域では通常、連作が行われており、葉の黄化や生育不良は圃場内で局所的に発生している。エダマメの生育不良発生圃場率は江東地域で80%と最も高く、それ以外の地域では20~25%と低い(表1)。 2. 江東地域では、葉の黄化や生育不良が発生する圃場の95%でダイズシストセンチュウのシストの根部着生が見られ、土壌中からも検出できる(表2)。一方、健全な生育を示す圃場からはシストが検出できない。 3. 江東地域の圃場では、栽培前に乾土1gあたり平均85個の卵を検出しており(表2)、この数値は、ダイズで減収や生育不良が顕著になるとされる卵数の水準(8~10卵/栽培前乾土1g)を上回る。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 江東地域のエダマメの生育不良は主にダイズシストセンチュウに起因し、本線虫の防除が収量の向上に有効である可能性が高い。 2. 発生圃場を明らかにすることで、被害の拡大を防止する適切な防除指導が可能となる。 3. エダマメの葉の黄化や生育不良には、ダイズシストセンチュウ以外に土壌病害や生理障害なども考えられるので、防除に際しては事前に線虫調査を行う事が望ましい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 えだまめ 出荷調整 生理障害 大豆 防除 |