タイトル | 茨城県内で発生するメロンつる割病菌のレースと判別品種を用いたレース検定法 |
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担当機関 | 茨農総セ園研 |
研究期間 | 2003~2007 |
研究担当者 |
小河原孝司 半田智一 冨田恭範 薄史暁 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 茨城県で発生するメロンつる割病菌のレースは、「レース1」、「レース1,2y」及び「レース1,2w」が主体である。これらレースは、メロン4品種「アムス」、「大井新一号」、「Charentais Fom2」、「CM17187」の幼苗を病原菌懸濁液に浸漬する浸根接種法で判別することができる。 |
キーワード | メロンつる割病、レース、判別品種、浸根接種法 |
背景・ねらい | 国内のメロン産地において、従来の抵抗性品種を侵すメロンつる割病の発生が報告されている。茨城県内のメロン産地においても、レース0及び2に抵抗性の品種「アンデス」、「クインシー」等につる割病が発生し、急速に被害が拡大している。さらに、近年、防除対策として導入したレース0、1及び2に抵抗性の台木品種「FR-2」が発病し、問題となっている。本病に対する有効な防除技術を確立するため、現地圃場で発生するつる割病菌のレース検定法を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 近年、本県のメロン産地で発生するつる割病菌のレースは、「レース1」、「レース1,2y」及び「レース1,2w」が主体である(表1)。「レース1」と「レース1,2y」の病徴及び病原性は過去に国内外で発生した同レースと一致する(表1)。また、「レース1,2w」は、海外での発生は確認されているが、国内では初めての報告である。 2. 「レース1」及び「レース1,2y」の罹病株は、本葉が黄化した後、萎凋・枯死する(図1)。また、「レース1,2w」の罹病株は、株全体が急激に萎凋した後、枯死に至る(図1)。 3. 本県及び海外産「レース1,2w」は、両者ともINRA(フランス国立農業研究所)判別系統の反応から2つのつる割病抵抗性遺伝子(Fom-1、Fom-2)を打破するが、品種「CM17187」、「黄金九号」に対する病原性が異なる(表1)。 4. 本県で発生するつる割病菌のレースは、並木ら(1998)の簡易レース判別品種を一部改変した「アムス」、「大井新一号」、「Charentais Fom2」、「CM17187」の4品種を用いた浸根接種法で判別することが可能である(表2)。浸根接種法によるレース検定は、106~107bud cell/ml程度に調整した病原菌懸濁液に子葉完全展開期の幼苗の根を浸漬し、園芸培土を詰めたセルトレイへ移植後、室温23℃前後で3週間管理して発病の有無を調査する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 「レース1,2w」の罹病株は、萎れる際に若干の黄化を伴うことがあるため、病徴で判断できない場合は、上記4品種を用いた浸根接種検定を行うことが望ましい。 2. 「アムス」、「大井新一号」は市販品種である。また、「Charentais Fom2」、「CM17187」は、独立行政法人農業生物資源研究所ジーンバンクから入手可能である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 台木 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 品種 防除 メロン |