タイトル | 小型粘着トラップ利用による果樹マルカイガラムシ類のふ化時期把握法 |
---|---|
担当機関 | 新潟農総研 |
研究期間 | 2004~2005 |
研究担当者 |
松澤清二郎 中野潔(新潟県防除所) 長谷川和徳(新潟県防除所) 中野太佳司 |
発行年度 | 2006 |
要約 | 果樹の枝に小型粘着トラップを設置し、トラップに捕獲された幼虫を調査することにより、マルカイガラムシ類のふ化時期を把握できる。 |
キーワード | モモ、オウトウ、小型粘着トラップ、マルカイガラムシ類、ふ化時期 |
背景・ねらい | 果樹のマルカイガラムシ類は薬剤による防除適期が幼虫ふ化盛期頃の数日間と短く、ふ化時期の年次間差も大きいため、モモ園などでは効果的な防除対応が困難となっている。そこで効果的な防除体系の確立を図るために、小型粘着トラップを使って簡便にふ化時期を把握する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 小型粘着トラップ(粘着部分19×9.5cm)は、マルカイガラムシ類寄生密度の高い枝を選び、粘着面を外側に向けて折り返し、木の枝を挟むようにしてクリップ等で固定する(図1)。 2. 小型粘着トラップにはウメシロカイガラムシとクワシロカイガラムシの1齢幼虫が、それぞれまとまって捕獲される時期があり、世代ごとの幼虫ふ化時期を確認できる(図2)。この時期は介殻を剥いで卵塊を直接観察する産卵ふ化調査によるふ化時期とほぼ一致する(表1)。 3. したがって、小型粘着トラップにより、マルカイガラムシ類のふ化時期を把握できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 枝に介殻が多数認められていても、天敵の寄生率が高いためトラップに捕獲されない場合がある。 2. 調査は通常5~7日間隔で行うが、幼虫が捕獲され始めたら5日以内に間隔を狭め、ふ化盛期を確認する。 3. 他の虫や汚れの付着により正確な捕獲数調査が困難な場合は、実体顕微鏡下で行う。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 病害虫 うめ おうとう くり 防除 もも 薬剤 |