タイトル | 水田地帯における飼料用イネを用いた牛乳の効果的な販売促進方法 |
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担当機関 | 新潟農総研 |
研究期間 | 2003~2007 |
研究担当者 |
守屋 透 湯川智行(中央農研北陸研) |
発行年度 | 2007 |
要約 | 消費者は牛乳の購入時に賞味期限等に加え飼料の安全性を重視しており、飼料イネWCSを利用することで30~50円/L程度の価格上乗せが期待できる。また、販売する際は、水田地帯であればその保全を訴えるなど地域性を考慮したPR項目を加え、かつPR項目を店頭用と啓発用に使い分けることで効果的な販売促進が可能となる。 |
キーワード | 飼料イネ、自給飼料、牛乳、販売促進 |
背景・ねらい | 飼料イネホールクロップサイレージ(以下飼料イネWCSと略記)に関する取り組みは、耕種農家・畜産農家の連携が不可欠であるが、本格的に地域に定着するには最終生産物である乳製品が最終ユーザーである消費者に受け入れられる必要がある。そこで、飼料イネWCSを給与して生産された牛乳(加工乳含む。以下「牛乳」と表記)を想定し消費者評価を行うことにより、消費者に受け入れられる販売促進方法を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 5段階評定尺度法により、牛乳の購入時に重視する項目を調査した結果、農家、非農家に関わらず、「賞味期限」、「価格」、に次いで乳牛に給与される「飼料」を重視しており、食の安全性・安心志向が高いことが確認できる(図1)。 2. 飼料イネWCSを利用した牛乳に対する価格受容を調査した結果、約半数の消費者が価格上乗せを許容できると回答し、そのうち最も多くの回答者が30~50円/Lの価格上昇であれば許容できるとしている。消費者に飼料イネの情報の意義を伝えることでこの程度の付加価値向上を見込むことができる(図2)。 3. 図3に見るように調査を実施した水田地帯においては、平坦農業地域の消費者だけでなく都市的地域の非農業世帯においても、「水田の多面的機能の維持に役立つ」のポイントが従来から重要視されていた「安全・安心」、「自給率向上」という項目と同等以上になっている。ターゲットとなる消費者の地域性も考慮したPR項目を加えることで、効果的な販売促進が可能となる。 4. 「価格」「安心・安全」という直接的に購買に関係する項目については、PR用のポップや貼り紙などとし、「水田の多面的機能の維持」など消費者の関心が高くかつ啓発的な項目については、記載できる情報量が多く持ち帰り可能なチラシなどとすることで効果的な販売促進が可能となる(表)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 図1から図3は平成17年に新潟県の平坦農業地域の一般消費者(農家・非農家は調査していないため不明、有効回答35%)500名及び平成18年に都市的地域の非農業世帯の消費者300名(有効回答率27%)を対象とした調査の結果である。なお、両調査地とも水田率70%以上の水田地帯である。 2. 新潟県において調査した結果であるが、水田地帯において活用できると考えられる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 加工 飼料用作物 水田 乳牛 |