タイトル | 烏骨鶏における飼養形態の違いが産卵性に及ぼす影響 |
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担当機関 | 群馬畜試 |
研究期間 | 2003~2006 |
研究担当者 |
後藤美津夫 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 烏骨鶏をケージで飼養することで抱卵を困難にし、さらに群飼することにより同居鶏から就巣行動が制限されるため、就巣に伴う休産が抑制され産卵率が向上する。 |
キーワード | ニワトリ、烏骨鶏、産卵率、ケージ飼育、群飼 |
背景・ねらい | 群馬県畜産試験場では中小規模の採卵鶏生産者を支援するため、産卵性を高めた烏骨鶏を県内に配布しており、生産された卵は特殊卵として直売所等で広く販売されている。 しかし、飼養管理が管理者により大きく異なるため、産卵能力を十分発揮できない管理者も多く、産卵能力が十分発揮できる飼養管理技術が求められている。 そこで、飼養形態の違いが烏骨鶏の産卵成績に及ぼす影響について調査した。 |
成果の内容・特徴 | 1. 産卵率(ヘンデイ産卵率、以下同じ)は、平飼いに比較しケージ単飼が高い(図1)。 2. ケージ飼育では、単飼に比較し群飼の産卵率が高く推移し、300日齢以降は群飼の方が高い。また、休産鶏の割合(以下、休産率)は産卵率の低下に伴い増加する(図2)。 3. 産卵率と休産率には負の相関が認められることから(図3)、産卵率を向上させるには休産率の上昇を抑える必要がある。 4. 平飼いでは強い抱卵・就巣行動が見られ、ケージ単飼でも就巣行動が散見されるが、ケージ群飼での就巣行動は比較的緩慢である(図4)。 5. 烏骨鶏は就巣に伴い休産するため、ケージ群飼では同居鶏により就巣行動が制限され緩慢となり、休産する個体が減少するため産卵率が向上する。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 休産鶏の判定は、外観及び触診により産卵の有無を判別することで行った。 2. 烏骨鶏は尻突きや羽喰い等の悪癖が強いので、群飼をするためには必ずデビークを実施する。 3. ケージ飼育により、コクシジウム等の疾病のリスクが軽減できる。 4. 群馬県では烏骨鶏を配布する際に、本技術の情報提供を実施しており、県内では広く普及している。 5. 本成果は群馬県畜産試験場で産卵性を改良し維持している烏骨鶏における成績である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 飼育技術 鶏 |