異なる場所間で共同で造成したデュロック種の新系統豚

タイトル 異なる場所間で共同で造成したデュロック種の新系統豚
担当機関 愛知農総試
研究期間 2004~2008
研究担当者 安藤康紀(愛知農総試)
吉岡豪
栗田隆之(愛知農総試)
今枝紀明
成瀬俊一(愛知農総試)
田口和夫
島部奈美
発行年度 2007
要約 全国初の試みとして、県域をまたいで系統豚を造成した。造成した系統豚はデュロック種で「アイリスナガラ」と命名する。発育が早く脂肪の付着が適度であり、肢蹄が丈夫で性格が温和で飼いやすい豚である。
キーワード 新系統豚、デュロック種、アイリスナガラ、共同開発
背景・ねらい これまで豚の系統造成は環境の均一化を図るため単一場所で造成されてきた。BLUP法アニマルモデルを用いることで、異なる環境間を補正して育種価評価を行うことが可能である。複数の場所で系統造成を行うことで、造成規模を拡大することができ、より少ない経費で効果的な改良が可能となる。本研究では岐阜県及び愛知県で要望の高いデュロック種の系統造成を共同で行った。造成の目標は、発育が早く、脂肪の付着が適度であり、肢蹄が丈夫で長持ちのするもの、体型的には太く深みのあるものを目指したものである。

成果の内容・特徴 1.
平成12年~18年までの7年(6世代)かけて、改良目標値を目指しての造成であり、平成19年7月に日本養豚協会より系統認定される。(表1)
2.
発育が早く、雄の1日当たり平均増加体重が1030gと目標値である1000gを超える。(図1)
3.
背脂肪の厚さが2cm前後であり、脂肪の付着が適度である。(図2)
4.
肢蹄が丈夫である。
5.
肉色が白っぽくなったり、肉汁が漏れだしパサパサな肉(フケ肉といわれる)の原因となる形質を除去してある。
6.
体型は幅があり深みのある豚であり、性格は温順で管理しやすい。
7.
維持豚となる第6世代の生産に当たっては、維持年数を長くするため家系に偏りがなく血縁係数がなるべく低くなるように注意して第5世代の交配を実施する。(図3)

成果の活用面・留意点 1.
共同で造成を行う場合、衛生面での配慮及び計測機器の統一が重要である。
2.
共同で造成を行う場合、血液交流をうまく行うことが必要である。
3.
県内養豚農家へ優良な種豚及び精液として供給する。
4.
発育に優れ、肢蹄が丈夫であることから養豚農家のコスト低減が期待できる。
5.
今後は肉質面の改良を検討しており、県の銘柄豚の更なる品質向上に貢献する。
6.
愛知県との共同造成であり、維持は2カ所になるが今後も同一系統として必要に応じ血液交流を実施してゆく。

図表1 218550-1.gif
図表2 218550-2.gif
図表3 218550-3.gif
図表4 218550-4.gif
カテゴリ アイリス 育種 低コスト

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