タイトル | 高脂肪・高タンパク質エコフィードの採卵鶏への応用 |
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担当機関 | 千葉畜総研 |
研究期間 | 2006~2008 |
研究担当者 |
村野多可子 青木大輔 |
発行年度 | 2007 |
要約 | コンビニエンスストアから排出される消費期限切れの食品の内、高脂肪の素材を乾燥処理後、飼料設計を立て、0、7.5、15%の割合で配合して採卵鶏に給与すると、産卵成績、卵質成績ともに無添加群と同様か優れた値を示し、嗜好性に差がない卵が生産される。 |
キーワード | コンビニエンスストア、エコフィード、採卵鶏、産卵成績、卵質成績 |
背景・ねらい | コンビニエンスストアから排出される消費期限切れの食品を飼料化したもの(エコフィード)は、現在、豚の飼料として利用が推進されつつある。しかし、そのうち高脂肪・高タンパク質な素材は肉質への影響が懸念されるため飼料としての利用が敬遠されがちである。これら高脂肪高タンパク質のエコフィードを採卵鶏に給与し、エコフィードの有効利用と飼料費の低減を図る。 |
成果の内容・特徴 | 給与したエコフィードは、弁当のおかず、惣菜、調理パン、具入り麺、菓子類などを加熱乾燥したものである。今回給与したエコフィード配合飼料の組成と分析値を表1に示す。採卵鶏ジュリア156羽を用い、13羽×4反復/群の3群を設け、141日齢から476日齢まで試験を実施し、4週間を1期間として成績を取りまとめる。 1. エコフィードの成分(乾物中)は粗蛋白質23.8%、粗脂肪25.5%、粗繊維1.33%、粗灰分4.66%、NFE44.6%、Ca0.13%、P0.33%、Mg0.02%、K0.8%、Na0.9%である。 2. 体重は15%給与群が試験期間を通して重い値を示すが、200、300日齢時には無添加群に比べて明らかに重い値を示す(p0.05)。ついで、7.5%給与群が重い傾向にある(表2)。 3. 全期間平均の産卵率、平均卵重、飼料摂取量、飼料要求率、産卵日量などの産卵成績に群間による差はみられない(表3)。 4. 全期間平均の卵重、卵殻強度、卵黄色、HU、卵殻厚などの卵質成績に群間による差はみられない(表4)が、期別では15%給与群の卵黄色が12期中8期において無添加群より有意に高い値を示す(p0.05)。 5. 排泄糞便中の水分率は、1、3、4期においては無添加群、6期以降9期を除き試験終了時まで15%添加群が明らかに高い値を示す。 6. ゆで卵は嗜好型官能評価法を用い、当センター職員21名、本庁職員30名を対象に実施した結果、嗜好性に有意な差はみられない。 |
成果の活用面・留意点 | 1. エコフィードを有効利用し、飼料費の軽減が期待される。 2. エコフィードを添加することにより体重は増加するが、産卵成績、卵質成績については差がみられず、採卵鶏への応用は可能である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 飼料設計 鶏 評価法 豚 |