タイトル | 超微細高密度オゾン水の豚舎内での殺菌効果 |
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担当機関 | 神奈川畜技セ |
研究期間 | 2003~2007 |
研究担当者 |
小嶋信雄 山本 禎 松村栄治1 萩原信子1(1ネイチャーズ(株)) |
発行年度 | 2007 |
要約 | 超微細高密度オゾン水は1000倍希釈した逆性石けんと同程度の殺菌効果がある。豚舎で使用した長靴をオゾン水で洗浄後にオゾン水に60秒間浸漬すると、水道水で洗浄後1500倍希釈した逆性石けんに60秒浸漬した場合と同程度の殺菌効果がある。 |
キーワード | 超微細高密度オゾン水、殺菌効果、豚房、長靴、逆性石けん |
背景・ねらい | 家畜の生産性を向上させるには、病気を予防するための定期的な消毒など畜舎環境の衛生対策が不可欠である。また、一方では安全で安心な畜産物を提供するため薬剤等の使用を出来る限り少なくする事が求められている。そこで、オゾンの持つ強い殺菌力と残留性が無く2次汚染物質を生成しない特長を利用し、環境に配慮した飼養衛生管理技術を確立する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 汚れた豚房床の拭い液0.1mlを10~12ppmの超微細高密度オゾン水0.9mlと混合(10倍希釈)すると、細菌数が0.38%に減少する。また、希釈倍率が高くなるほど超微細高密度オゾン水の殺菌効果が顕著にあらわれる(図1)。 2. 10倍希釈した豚房床の拭い液0.1mlと超微細高密度オゾン水0.9mlを混合すると、1000倍及び2000倍に希釈した逆性石けん液と同程度の殺菌効果がある(図2)。 3. 水洗後乾燥させた状態の豚房の床80cm×80cmを超微細高密度オゾン水(14リットル/分)で洗浄し、洗浄前、1分間洗浄後、3分間洗浄後、5分間洗浄後に9cm2の細菌数を比較したところ、5分間以上洗浄をすると細菌数は洗浄前の8%に減少する(表1)。 4. 使用頻度、種類の異なる長靴を使用し、豚房内を1分間歩いた後の長靴の靴底を超微細高密度オゾン水で洗浄(14リットル/分)後、10~12ppmの超微細高密度オゾン水に60秒間浸漬すると水道水洗浄(14リットル/分)後に逆性石けん(1500倍)に浸漬した場合と同程度の殺菌効果がある(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 超微細高密度オゾン水を効果的に使用するために、有機物量を減少させること、十分な感作時間をとること、生成された超微細高密度オゾン水は殺菌効果の高い1時間以内に使用することが重要である。 2. 高濃度のオゾンガスは人体に影響を及ぼすことから、日本産業衛生学会では、労働衛生許容濃度を0.1ppmに定めている。今回使用した超微細高密度オゾン水で豚舎を洗浄した際に発生するオゾンガス濃度は0.1ppm以下の適正な濃度であった。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 乾燥 管理技術 豚 薬剤 |