タイトル | 軽量気泡コンクリート(ALC)による尿汚水の高度浄化処理 |
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担当機関 | 群馬畜試 |
研究期間 | 2006~2008 |
研究担当者 |
鈴木睦美 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 尿汚水浄化放流施設にALC濾材槽を追加することで、平成20年10月以降に規制の強化が予想される窒素及び燐の排水基準に対応が可能となる。 |
キーワード | 家畜ふん尿、浄化処理、高度処理、窒素除去、燐除去 |
背景・ねらい | 平成16年11月「家畜排せつ物法」の本格施行に伴い、養豚農家を中心に尿汚水浄化処理施設が普及した。しかし、これらの施設は「水質汚濁防止法」生活環境項目における窒素、燐の現行暫定基準(平成16年10月1日から平成20年9月30日まで)には対応しているものの、平成20年10月以降に強化が予想される次期暫定基準等に対応できる施設は少ないので、追加設置することで対応が可能となる窒素及び燐の簡易高度処理技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. ALC(軽量気泡コンクリートの略称、主成分は珪酸カルシウム)濾材槽には、20~40mmの礫状ALC濾材を充填し、高度処理する二次処理水は濾材槽の上部から散水し、処理後は下部から自然流出する構造とする(図1)。 2. 濾材槽底部に散気管を設置し(図1)、逆洗用ブロワで1時間に1回、1分程度の処理槽内の撹拌、及び5~6週間(冬季は6~8週間)間隔の濾材洗浄(逆洗)を実施する。 3. 家畜尿汚水浄化処理施設の二次処理水(現行基準の1.5倍の過負荷を想定して無機態燐は50mg/l、硝酸態窒素は300mg/l程度に調整)を通水接触させると、カルシウムヒドロキシアパタイトが生成され燐が除去される(図2)。接触時間を延長させることで燐除去効果は増大する。 4. 窒素は、二次処理水に硝酸態窒素量の約2倍のメタノールを添加して通水接触させることで、ALC濾材を担体とした生物膜法により窒素が除去される(図3)。水温が低下する冬季には、接触時間を延長することで除去率の低下を防ぐことが可能である。 5. 通水接触時間は48時間以上で充分な除去効果が得られる(図2、3)。 6. ALC濾材の周囲に付着した微生物膜を強力なばっ気により洗浄(逆洗)することで、燐及び窒素の除去能力を維持及び管理することができる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 高度処理水の水素イオン濃度が上昇し、pH8.6を超えることもあるので注意する。 2. ALC濾材は1年間に10%程度減少するので、補充が必要である。 3. 逆洗した排水は既存曝気槽に移送し、余剰汚泥と一緒に処理する。 4. 濾材はALC製造業者から購入することができる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 豚 |