タイトル | 南半球産球根を利用したチューリップ切り花の10~11月出荷作型 |
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担当機関 | 新潟農総研 |
研究期間 | 2003~2009 |
研究担当者 |
渡邉祐輔 小田正之 |
発行年度 | 2007 |
要約 | チューリップ切り花の10~11月出荷作型で南半球産球根を利用すると、北半球産球根利用する場合に比べて氷温貯蔵期間を半年程度短縮でき、作期の拡大が図れる。 |
キーワード | 南半球産球根、チューリップ切り花、氷温貯蔵 |
背景・ねらい | 北半球産球根を利用したチューリップ切り花の10月出しや晩生品種の11月出しは、氷温貯蔵が長期に及ぶため冷蔵等に多くの経費がかかることや、切り花品質がやや劣るなどの問題がある。近年、南半球産球根の一部品種が直接切り花栽培に利用可能となり、10~11月出荷作型での利用が期待されている。そこで、南半球産球根を利用した高品質安定生産技術を確立し、作期の拡大を図る。 |
成果の内容・特徴 | 1. 南半球産球根を利用すると、北半球産球根を利用する場合に比べて氷温貯蔵期間を半年程度短縮できる(図1)。 2. 南半球産球根利用栽培では、球根をボックス内に定植して9℃の冷蔵庫内で発根させる。発根処理後、-1.5℃で氷温貯蔵し、出荷目標にあわせて順次出庫する(図1)。 3. 球根の定植時期は、早いほど切り花品質が優れる(図2)。 4. 発根処理期間は、2週間と4週間で切り花品質に差異はみられない(表1)。 5. 南半球産球根利用栽培は、10~11月出荷が可能である(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 氷温貯蔵後の管理は北半球産球根利用栽培に準ずる。 2. 発根処理では、ボックス底部に根が十分に伸長してきていることを確認する。 3. 発根処理期間を長くすると出庫までに出芽長が伸びすぎることがあるので注意する。 4. 現在利用できる南半球産チューリップ品種には、表1の他に「アドレム」、「アニーシャイルダー」、「アプリコットパーロット」、「アッティラレコード」、「ハウステンボス」、「キースネリス」、「パープルフラッグ」、「シレンティア」、「ホワイトドリーム」がある。 5. 輸入される品種は変動があるため、輸入動向に留意する。 6. カルシウム欠乏による生理障害が発生することがあるので、品種の選定に留意する。 7. 「氷温」は(株)氷温研究所の登録商標である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | 栽培技術 出荷調整 生理障害 チューリップ 品種 |