ルスカスの試験管内増殖法

タイトル ルスカスの試験管内増殖法
担当機関 福井園試
研究期間 2005~2007
研究担当者 坂本浩
岩本由佳
大城閑(福井県立大学)
発行年度 2007
要約 ルスカス種子から無菌的に取り出した胚を、ショ糖濃度3%の1/2MS基本培地に播種することで、通常の種子繁殖より効率よく発芽個体が得られる。発芽した植物から生じたシュートはNAA0.54μM添加した基本培地に置床することで発根が促進される。
キーワード ルスカス、無菌播種、NAA
背景・ねらい ルスカスは北部シリアからイランに自生するユリ科の植物で、切り葉用として栽培されている。本植物の増殖は、種子の発芽率が低いことと、苗の生育が遅いことから、大量増殖は困難であった。そこで,発芽率の向上と増殖を目的に、ルスカスの無菌播種法とシュートの分割による増殖法を開発する。

成果の内容・特徴 1.
図1にルスカスの無菌播種と増殖法を示した。
10~12月に、熟したルスカス種子から無菌的に取り出した胚を、ショ糖濃度3%の1/2MS基本培地に播種することで、通常の実生より高い発芽率で無菌植物が得られ、初期生育が早い(表1、写真1)。
2.
無菌播種により得られた植物を23℃、27μmol・m-2・S-1の明下で培養することで、シュートが発達し、分割により増殖できる(図1)。
3.
分割したシュートは、NAAを0.54μM添加した基本培地に移すことで発根が促進され、根量も多い(図2)。これよりNAA濃度が濃い場合、こん棒状の奇形根が発生する株が出現する。
4.
シュートの発生が悪い場合は、無菌植物を分割して、チジアズロン1~2μM含む培地で培養することで、80日後に株あたり約3本のシュートが発生し、増殖率は約3倍となる(データ略)。

成果の活用面・留意点 1.
取り出す胚の大きさは、胚乳部分が多いと発芽が遅れやすいため、胚のみをとりだして用いる。ただし、胚摘出時に胚を傷つけると、カルス化した奇形が生じやすいため、注意する。
2.
出葉した株から分割したシュートは、置床後すぐに出葉するため、生育が早い。
3.
順化用土には赤玉土を用いると発根が良好である。
4.
順化中は、乾燥と強日射で株が弱るので、減光下で栽培し、乾燥しないよう管理する。

図表1 218627-1.jpg
図表2 218627-2.jpg
図表3 218627-3.jpg
図表4 218627-4.gif
カテゴリ 乾燥 播種 繁殖性改善 ゆり

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