タイトル | 日持ち性の良いフキ新品種「愛経2号」の育成 |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 2002~2006 |
研究担当者 |
(JAあいち経済連) 山下文秋 浅田文雄 大岡義隆(JAあいち経済連) 大藪哲也 木下俊春(愛知県ふき主産地協議会) 矢部和則 |
発行年度 | 2007 |
要約 | フキ新品種「愛経2号」は、高温期の収穫において、葉柄切り口の腐敗及び葉身の黒変が遅く、日持ち性に優れる。 |
キーワード | フキ新品種、高温期、腐敗、黒変、日持ち性 |
背景・ねらい | 愛知県のフキ生産は、出荷量のシェアが48.0%で全国1位である。現在栽培している「愛知早生」優良無病苗系統は収量性に優れているが、10~11月及び4~5月の比較的気温の高い時期の収穫では、流通・消費段階において切り口の腐敗が発生する場合がある。そこで、気温の高い時期の収穫でも、日持ち性が良い品種を育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1.育成経過 平成14年、県内産地から収集した「愛知早生」9在来系統から収穫後の切り口の色調変化が小さいなどの日持ち性が良い4系統を育種素材として選抜し、頭花(フキノトウ)を培養した。再分化植物体を養成して得た108系統から、生育、品質の優れる5系統を選抜し、これらの5系統について日持ち性調査を行い、No.515を選抜した。平成18年、No.515の現地適応性検定及び特性検定を実施し、切り口が腐敗しにくく、葉身の黒変が遅く、また、実用形質が優れていることが確認されたので育成を完了し、「愛経2号」と命名した(図1)。 2.特性の概要 1) 「愛経2号」は、「愛知早生」優良無病苗系統に比べ、収穫後、葉柄の切り口が腐敗しにくく、葉身の黒変が遅く、日持ち性が良い(表1、図2)。 2) 「愛経2号」は、「愛知早生」優良無病苗系統よりも葉柄の色は鮮やかな緑色で濃く、葉柄の表面に赤色の斑紋が生じる赤さび症の発生が少ない(表1、図3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 「愛経2号」は「愛知早生」優良無病苗系統と同等以上の収量性を示すが、安定した収量を確保するために、10a当たりの定植根株量は、抑制栽培では900kg程度、促成栽培では700kg程度とする。 2. 「愛経2号」の日持ち性をより高めるために、高温時の栽培ではフキの水分含量が高まる収穫前日のかん水、朝の収穫を控える。 3. 「愛経2号」については、県内普及を中心に行い、他県への許諾は当面の間行わない。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 育種 栽培技術 出荷調整 新品種 品種 ふき ふきのとう |