タイトル | アルミ蒸着フィルム寒冷紗は直がけてん茶の品質を向上させる |
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担当機関 | 愛知農総試 |
研究期間 | 2006~2007 |
研究担当者 |
白井一則 城所利兵衞 滝本雅章 |
発行年度 | 2007 |
要約 | アルミ蒸着フィルムで表面加工された寒冷紗によるてん茶の直がけ被覆は、樹冠面の温度上昇を抑制し、品質を向上させる。収量は同等もしくは増収する。 |
キーワード | チャ、てん茶、アルミ蒸着フィルム、直がけ被覆 |
背景・ねらい | 加工用抹茶の需要増加により、てん茶の栽培面積が急増している。とりわけ、初期投資をあまり必要としない寒冷紗による直がけ被覆栽培が増えている。しかし、この方法は従来の棚被覆に比べ品質面で劣ることが指摘されている。直がけ被覆では、棚被覆に匹敵する品質の確保は期待できないものの、慣行の黒寒冷紗に比べより品質の高いてん茶が生産できる被覆法の改善が求められている。そこで、直がけ被覆てん茶の品質向上を目指し、新しく開発されたアルミ蒸着フィルムで表面加工された寒冷紗(以下、アルミ寒冷紗)による被覆効果を検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 使用したアルミ寒冷紗は、アルミ蒸着PEフィルムと耐候性があるPE糸をラッセル編みしたもので、満遍無く空隙があるため風の抜けやすい構造となっている。耐候性接着剤の使用でアルミ飛散の問題はない。遮光率は90%である。 2. 一番茶におけるアルミ寒冷紗の直がけ被覆は黒寒冷紗(遮光率85%)と同等かそれ以上の増収効果が認められる。20日間程度の被覆ではアルミ寒冷紗の品質が良好となり、荒茶価格も上がる。被覆期間が26日と長くなると、アルミ寒冷紗でも品質は明らかに低下する(表1)。 3. 二番茶(「おくみどり」、被覆期間7日)においては、アルミ寒冷紗では葉焼けがまったく見られず、茶芽の生育は良好である(写真1)。 4. 被覆期間中の寒冷紗直下における樹冠面温度の日最高値をみると、アルミ寒冷紗は、一番茶で5℃程度、二番茶で5~10℃、慣行の黒寒冷紗より温度上昇が小さく、昇温抑制効果が高い(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. アルミ寒冷紗の価格は通常の黒寒冷紗の1.6~1.7倍であるため、費用対効果を考慮して使用する必要がある。 2. アルミ寒冷紗は開発されて間もないため、耐久性については検討する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
カテゴリ | 加工 茶 てん茶 抹茶 |