タイトル | リン酸・カリ蓄積圃場におけるブロッコリーセル内全量基肥法 |
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担当機関 | 埼玉農総研水田農業 |
研究期間 | 2004~2007 |
研究担当者 |
鎌田 淳 畑 克利 江村 薫 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 家畜ふん堆肥の連用でリン酸とカリが蓄積した圃場における秋冬ブロッコリー栽培では、リン酸、カリをほとんど含まないセル内肥効調節型肥料により、窒素成分を50%削減できるとともに、リン酸、カリ蓄積圃場における過剰投入の抑制に役立つ。 |
キーワード | ブロッコリー、セル内全量基肥、窒素50%減肥、リン酸・カリ蓄積 |
背景・ねらい | 近年、家畜ふん堆肥の多施用や連用により、リン酸やカリの蓄積圃場が増加しているほか、土壌の塩基バランスの崩れやカリ過剰に由来するブロッコリー花蕾黒変症が散見される。そこで、このような土壌を対象に、減肥と省力化及び塩基バランスの改善を視野に、窒素主体のセル内全量基肥技術を開発する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 被覆燐硝安を用いた場合、慣行施肥窒素の50%相当分を全量セル内に施用しても、濃度障害は認められず、苗の生育は慣行と同等である(図1)。 2. ブロッコリー苗の根の活性や根鉢形成は、全量基肥50%区が最も優れており、機械定植も可能である(表1)。 3. リン酸、カリが蓄積した現地圃場では、ブロッコリーのセル内全量基肥法により、慣行と同等の生育、収量及び品質が得られる(表2)。 4. 供試肥料は定植後90日までに約8割の窒素が溶出する。生育期間を通じてブロッコリーの草丈及び窒素吸収量は、中生から中晩生品種まで概ね慣行と同等である(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. セル内全量基肥法は、圃場に蓄積する肥料成分を軽減するとともに追肥を省略できる。 2. 土壌条件や栽培環境の違いによる影響が予想されるため、現地の土壌診断結果をふまえリン酸、カリの別途施用を考慮する。 3. 育苗時の濃度障害を回避するため、高温での育苗は避け、昇温抑制対策を行う。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 育苗 栽培技術 省力化 施肥 土壌診断 品種 ブロッコリー |