タイトル | アイリスイエロースポットウイルスによるニラえそ条斑病(新称)の発生 |
---|---|
担当機関 | 栃木農試 |
研究期間 | 2007~2010 |
研究担当者 |
森島正二 大関文恵 中山喜一 福田 充 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 栃木県で発生したニラの白斑症状は、アイリスイエロースポットウイルス(IYSV)による新病害である。IYSVは、ニラに全身感染するが汁液伝染の可能性は低い。 |
キーワード | ニラ、えそ条斑病、IYSV |
背景・ねらい | 本県の主要なニラ産地で、夏季、葉に白斑症状を呈する原因不明の病害が発生し、品質低下の主因となっている。被害圃場では、大量のネギアザミウマが捕獲されたことから、アイリスイエロースポットウイルス(IYSV)の関連が推察された。そこで、本病害の病原ウイルスを同定するとともに、ニラ体内での分布や刃物による汁液伝染の有無を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. ニラえそ条斑病に罹病したニラは、葉身に退緑斑やえそ条斑を呈する(図1)。 2. 罹病葉からRT-PCR法によりIYSVの遺伝子断片が増幅され、ネギアザミウマ伝搬試験により病徴も再現されたことから、本病の病原ウイルスはIYSVである。 3. 栃木県内の主要なニラ産地でニラえそ条斑病が広く発生しており、同じAllium属植物のネギ及びタマネギでも高率に発生している(表1)。 4. 病徴発現1か月後のニラを部位別にRT-PCR法で検定すると、発病葉、上位葉(無病徴)、鱗茎及び根からIYSVが検出される。また、発病茎と同一個体の無病徴茎の葉、鱗茎、根からもIYSVが検出され、IYSVはニラで全身感染している(表2)。 5. IYSV罹病ニラの刈り取り後に展開した新葉には病徴は認められない。 6. 発病株を刈り取った刃物でポット植えニラを連続して刈り取り、1か月後に再生した葉を観察すると、えそ条斑病による病徴は認められず、RT-PCR法でもIYSVが検出されないことから、ニラでの汁液伝染の可能性は低い(表3)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. IYSV感染株であっても再生葉では病徴を示さない可能性が高いが、IYSVの系統や品種間差異も含めて、今後更なる検討が必要である。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
図表4 | |
カテゴリ | アイリス たまねぎ にら ねぎ 品種 |