タイトル | ナシ黒星病等の病害防除支援情報システム「梨病害防除ナビゲーション」 |
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担当機関 | 千葉農総研 |
研究期間 | 2003~2007 |
研究担当者 |
金子洋平 牛尾進吾 大谷徹 竹内妙子 菅原幸治(中央農研) |
発行年度 | 2007 |
要約 | 「梨病害防除ナビゲーション」はMicrosoft Excel 2003 上で稼働し、ナシ黒星病菌胞子飛散状況、黒星病感染危険度、散布農薬の残効期間等の情報をチャート化して示す。チャートで黒星病の発生生態等の理解、防除要否及び農薬散布時期の判断を容易にする。 |
キーワード | ナシ、黒星病、輪紋病、発病度予測モデル、防除要否、気象観測 |
背景・ねらい | 千葉県の主要なナシ品種である「幸水」「豊水」の最も重要な地上部病害はナシ黒星病である。このため、病害防除は黒星病を中心として体系化されており、生育期間中は10日間隔で9~12回(成分回数約20回)行われる。しかし、黒星病の発生生態を理解して、耕種的防除を徹底し、ナシの生育状況、殺菌剤の残効、気象経過や予報により防除要否及び農薬散布時期を適切に判断すれば、防除回数を削減することが可能である。そこで、発生生態の理解、防除要否及び農薬散布時期の判断を容易にする病害防除支援情報システムを構築する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 「梨病害防除ナビゲーション」はMicrosoft Excel 2003 上で稼働し、ナシ開花日(始期)、黒星病感染危険度、農薬散布日及び散布農薬を入力設定すると、病害防除支援チャートとして、ナシ生育期の黒星病菌胞子の飛散状況、潜伏期間後の予測発病度、幼果高感受性期間、農薬の残効期間等の情報をパソコン上に示す(図1)。 2. 上記ナシ黒星病感染危険度は、千葉農総研気象観測装置、フィールドサーバ、小型温湿度記録計などの気象データを用いて、インターネット上のホームページ「Duthie(1997)によるナシ黒星病発病予測モデル」等により計算する(図2)。 3. ナシ黒星病感染危険度はファイル出力された前述の計算結果をコピー・ペースト法により入力する。また、パソコン等のネットワーク環境を整えることにより自動入力・リアルタイム更新できる(図2)。 4. 生育後期の「幸水」果実の黒星病高感受性期間及び散布農薬の治療・残効期間、さらに、ナシ輪紋病に対する果実高感受性期間及び散布農薬の治療・残効期間を、チャート化して併せて示す(データ省略)。 5. ナシ黒星病・輪紋病防除に使用される主な農薬と、その治療・残効期間は簡易なデータベースとしてシステムに内蔵し、参照入力できる(データ省略)。登録されたデータは加除修正できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 農薬散布の削減は、ナシ黒星病の果実の高感受性期間には効果の高い薬剤を減農薬防除暦により散布する。それ以外の期間は病害防除支援チャートと天気予報から防除要否判断し農薬散布する。ナシ輪紋病は黒星病と同時防除が可能な薬剤を選択する。 2. 農薬の治療・残効期間は散布方法、ナシの生育ステージ、気象条件により影響される。データベースに予め登録されている農薬の治療・残効期間は、これまでの試験や経験に基づく大まかな目安である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 黒星病 データベース 農薬 品種 防除 薬剤 |