タイトル | 東京都におけるOidium 属Reticuloidium 亜属菌によるキュウリうどんこ病の発生実態 |
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担当機関 | 東京農総研 |
研究期間 | 2003~2007 |
研究担当者 |
佐藤幸生 星 秀男 竹内 純 堀江博道 |
発行年度 | 2007 |
要約 | Oidium属Reticuloidium亜属菌(OR菌)によるキュウリうどんこ病は、東京都の広い範囲で防除が必要な程度にまで発生している。本菌の発生盛期は5月~6月中旬で、葉位によっては6月下旬まで蔓延する。7月以降は従来のFebroidium亜属菌が優占する。 |
キーワード | 果菜、糸状菌、発生生態、キュウリ、うどんこ病 |
背景・ねらい | 2002年、神奈川県において、2003年および2004年には富山県の広範な地域で従来のOidium属Febroidium亜属菌(以下OF菌)とは異なるOidium属Reticuloidium亜属菌(同OR菌)によるキュウリうどんこ病の発生が報告された。距離的に離れた地域においてOR菌による同病の発生が相次いで報告されたことから、本亜属菌の広範な分布が推定される。そこで、東京都におけるOR菌の発生状況、菌種の推移と被害程度について明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. OR菌によるうどんこ病の発生は東京都5市2町のキュウリ調査圃場16地点中13地点と広範囲に確認されている。発生品種は、アンコール10、京涼み、トキワ地這、夏すずみ、南極2号、湧泉の6品種である。 2. 生産圃場において、5月下旬まではOR菌が優占する。しかし、6月下旬では、圃場により優占する菌種が異なり、7月以降は従来のOF菌のみが観察される(表1)。 3. 菌種と発病の推移は葉位によって異なる。 4. 概ね10節以下の葉ではOR菌が優占した状況で急速に発生が拡大し、従来のOF菌と同程度の被害を生じる。その後OR菌率は暫時低下するが、6月下旬までOR菌の比率が高い状態が継続する。これに対して、10節以上の中~上位の葉では、発生後すぐにOR菌率が低下し、以降従来のOF菌が優占する(図1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 東京都においてOidium属Reticuloidium亜属うどんこ病菌が広範に分布している。 2. 発生時期が従来の菌より早く、今後うどんこ病の要防除期間が拡大する可能性がある。 3. 時期により優占する菌種が異なるため、各菌種の諸性質を考慮した防除を行う必要がある。 4. 調査圃場におけるOR菌によるうどんこ病の発生程度は発病葉率約20~40%、発病度約6~13であり,薬剤防除を必要とする。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 病害虫 うどんこ病 きゅうり 品種 防除 薬剤 |