タイトル | 物理的防除資材によるワケネギのネギアザミウマとネギハモグリバエの防除 |
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担当機関 | 東京農総研 |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
伊藤 綾 高橋大輔 山岸 明 竹内 純 竹内浩二 櫻井文隆 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 物理的防除資材である近紫外線除去フィルムと防虫網を組み合わせた施設栽培を行うことでネギアザミウマとネギハモグリバエの被害を抑えることが可能であり、ワケネギの生育および品質にも影響はない。 |
キーワード | ワケネギ、物理的防除、ネギアザミウマ、ネギハモグリバエ、近紫外線除去フィルム |
背景・ねらい | 東京都内の周年出荷を行っているワケネギ生産圃場において、近年夏期のネギアザミウマなどによる虫害被害が激しく、対策を求められている。そこで、主要害虫であるネギアザミウマ、ネギハモグリバエに対して物理的防除資材である近紫外線除去フィルムと防虫網の効果を明らかにし、減農薬・高品質栽培の実現を目指す。 |
成果の内容・特徴 | 1. ネギアザミウマは5~10月に発生、特に6月中~下旬にかけて最も発生が多くなる。ネギハモグリバエは6~10月に発生し8~9月に多くなる。 2. ネギアザミウマに対する物理的資材の効果:7~8月の調査期間中、近紫外線除去フィルムを展張したハウス(サイドには0.8 mm目合いの防虫網展張)ではネギアザミウマの発生がほとんど認められない。ワケネギの被害も近紫外線除去フィルム展張区が慣行フィルム展張区(0.8 mm目合いの防虫網展張)に比べ少なく推移する(図1)。 3. ネギハモグリバエに対する物理的資材の効果:妻面入り口をファスナー式の防虫網で覆った小型ハウスでは慣行フィルム、近紫外線除去フィルム展張区とも試験期間中本種による被害が認められない(図1)。しかしながら、引き戸式の入り口に若干の開口部がある中型ハウスでは近紫外線除去フィルムの展張の有無にかかわらず被害が認められる。以上のことから、ネギハモグリバエに対しては0.8 mm防虫網の侵入防止効果は高いが、近紫外線除去フィルムの展張の侵入防止効果・増殖抑制効果は低い。 4. 近紫外線除去フィルムを展張することによってワケネギの草丈が高く、重量が重くなる(表1)が、生育および品質に関して悪影響はない。 |
成果の活用面・留意点 | 1. ワケネギは東京、埼玉、千葉などで栽培されているネギの通称である。 2. ネギハモグリバエは、いったん施設内に侵入すると近紫外線除去フィルムを展張していても増殖を抑えられない。ハウスの入り口などもファスナー付き防虫網で覆うなど、開口部の無いようにすることが重要である。 3. 施設内においてネギアザミウマとネギハモグリバエの成虫は黄色粘着トラップで発生状況の把握が可能である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 病害虫 害虫 施設栽培 出荷調整 ねぎ 農薬 防除 |