タイトル | 「ファイバースノウ」による麦茶用大麦生産のための追肥法 |
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担当機関 | 石川農総研 |
研究期間 | 2006~2007 |
研究担当者 |
吉田恭子 金田哲郎 畑中博英 武田康一 黒田晃 |
発行年度 | 2007 |
要約 | 「ファイバースノウ」を用いた麦茶用大麦生産のためには、止葉展開期追肥の増施、穂揃期追肥あるいは緩効性肥料の利用により子実タンパク含有率を向上できる。作業性、経済性を考慮し、止葉展開期に速効性肥料を窒素成分で6kg/10a施用する追肥法が有効である。 |
キーワード | 大麦、ファイバースノウ、麦茶、タンパク含有率、追肥法 |
背景・ねらい | 石川県では、畑地である河北潟干拓地で栽培されている大麦は麦茶用、その他の水田転換畑で栽培されている大麦は精麦用として用途別に産地を区分している。麦茶用大麦は、焙煎・抽出後の味や香り、色を良好にする点で高い子実タンパク含有率が求められ、平成17年産麦から導入された品質ランク区分では、子実タンパク含有率が品質評価項目の1つとして挙げられている。 そこで、「ファイバースノウ」を用い、子実タンパク含有率の高い麦茶用大麦生産のための追肥法を明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1. 止葉展開期追肥に加え穂揃期に窒素成分で4kg/10a施用することにより、慣行区に比べ子実タンパク含有率は1.8%向上する(表1、図)。しかしながら、穂揃期追肥は水田作業の繁忙期と重なるうえ、草丈が長いため圃場内を走行する管理機による作業が困難である。 2. 止葉展開期追肥を窒素成分で2kg/10aから6kg/10aに増施することにより、慣行区に比べ子実タンパク含有率は1.5%向上する(表1、図)。 3. 止葉展開期追肥に緩効性肥料(LP20)を窒素成分で8kg/10a施用することにより、慣行区に比べ子実タンパク含有率は1.5%向上する(図)。ただし、止葉展開期追肥増施に比べて約1.5倍の肥料費を要する。 4. 追肥法の違いによる収量には有意な差は認められない(表2)。 5. 以上のことから、子実タンパク含有率を高めるためには、作業性や経済性を考慮すると、止葉展開期に速効性肥料を窒素成分で6kg/10a施用することが適当である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 本試験は、河北潟干拓地内の畑地で行った結果である。 2. 止葉展開期に速効性肥料を多施用すると、遅穂が発生して熟期が乱れたり、施用後の気象条件によっては稈長を伸ばし、倒伏が懸念される。 |
図表1 | |
図表2 | |
図表3 | |
カテゴリ | 肥料 大麦 水田 麦茶 |