タイトル | コシヒカリの密播・疎植栽培における生育・収量目標 |
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担当機関 | 新潟農総研 |
研究期間 | 2004~2006 |
研究担当者 |
市川岳史 東 聡志 奈良悦子 竹内 睦 坂口いづみ 金高正典 |
発行年度 | 2007 |
キーワード | 茎数、草丈、コシヒカリ、収量構成要素、疎植、密播 |
背景・ねらい | 省力・低コスト技術として,従来のコシヒカリ稚苗移植よりも使用箱数を減らし,育苗資材や育苗及び移植作業労力の軽減や高温障害による品質低下の回避を図るため、コシヒカリの密播・疎植栽培法について検討した。ここでは、高品質と慣行栽培並の収量を確保するための目標生育量及び収量・収量構成要素について明らかにした。 |
成果の内容・特徴 | 1. この技術は、コシヒカリの密播(乾籾250g/箱)、露地・プール育苗苗を5月中旬以降に疎植(40株/坪)し、慣行栽培(乾籾140g/箱稚苗苗、60株/坪)より使用苗箱数を減らす(箱数1/3)とともに、品質向上と慣行栽培並の収量確保を目指すものである。 2. 玄米タンパク質含有率6.0%(水分15%換算)を上限とした場合、m2当たり籾数の上限は30千粒となる(図1-a)。また、m2当たり籾数と穂数、収量との関係(図1-b,c)から、穂数350本/m2、収量540kg/10aが上限となり、目標の収量及び収量構成要素は表1の通りになる。 3. 目標の穂数を確保するための時期別茎数は、最高分げつ期で450本/m2、幼穂形成期で425本/m2である(図2)。 4. 倒伏程度を3.5以下に抑えるためには、稈長を95cm以下にする(図3)。 5. 幼穂形成期の草丈から、稈長を95cm以下にするための穂肥施用は、草丈が82cm以上の場合は穂肥無施用、79cm以上82cm未満の場合は2回目穂肥のみ、79cm以下の場合は穂肥の2回施用が可能である。(図4)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 平坦部重粘土壌地域に適応する。 2. コシヒカリの食味が低下しない玄米タンパク質含有率の上限を6.0%(水分15%換算)とした。 3. 機械収穫に支障の無い倒伏程度の上限を3.5とした。 4. 基肥は5月中旬以降移植の地域慣行とする。 5. 密苗は初期生育が劣るので、移植後は保温的な水管理に努める。 6. 穂肥施用時期は出穂前18日と10日の2回とし、施用量はそれぞれ窒素成分で1kg/10aとする。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
図表5 | ![]() |
カテゴリ | 育苗 高温対策 低コスト 水管理 良食味 |